お魚は健康食!お魚を毎日食べましょう!

鮟鱇

あんこう

分 類:アンコウ目アンコウ科アンコウ属 生息域:北海道以南、東シナ海、フィリピン、アフリカ

学 名:Lophius litulon 英 名:Angler fish,Goosefish

見た目に反してクセのない淡泊な味わい。脂のコクと旨味が絶品の肝も人気です。

一般に「あんこう」と呼ばれているのは「きあんこう(ほんあんこう)」という種類。ほかに「あかぐつ」など「くつ」とよばれる「あんこう」も多くいます。近年、需要が増えてきたため寒い時期には、韓国、中国やアメリカから輸入もされています。透明感のある白身ですが、すぐに白濁してしまいます。煮ると縮みますが、水分が多いためかたくはなりません。焼物よりも、汁物、煮物などに向いています。“あんこう鍋”は、「岐阜の鮎、水戸のあんこう鍋、明石の鯛」といわれるほど、日本の美味いものの代名詞になっています。

全身はぬめりで覆われ、身がやわらかすぎ、まな板でさばけないため“つるし切り”といわれる独特の方法で解体されます。これは、手鉤を口にかけてつるし、口からたっぷりの水を体に流し込み、一気に身をさばいていく方法です。最後には、“くちばし”と“目”だけが残り、ほかの部位は全て食用にされます。それぞれの部位ごとに味や食感の違いが楽しめ、中でももっとも珍重されるのが肝。「あんこう」の価値は肝で決まるといわれるほど、肝をどれくらい含んでいるかで「あんこう」の価格は大きく変わるといわれます。「あんきも(あんこうの肝)」だけでも流通しており、また肝だけの缶詰などもあります。

古くは東日本、特に東京から常磐にかけて盛んに食べられてきました。江戸時代以来、値段の安さから庶民的なものだったようです。特にあんこう鍋は冬の風物詩でもあり、「あんこう」を詠んだ俳句も多く残っています。

オスは小さく、メスの方が1.5mとはるかに大型になります。美味しいのはメス。口の上にあるトゲの先端に、ひらひらした皮弁(布状のもの)がついており、これをエサのように動かして小魚を誘い、近づいてきたら食べるという習性があります。まるでルアー釣りのようで、英語の「Angler fish(釣りをする魚)」はこのことに由来します。「あんこう」の名の由来は、「暗愚魚(あんぐうお)」。「暗愚」とはのろまで愚か者の意味。見た目がブヨブヨして、太っていることからきたもので、「あんぐうお」が「あんこう」に転化したという説があります。

おさかなセールスポイント

  1. ●低脂肪でやわらかくとっても食べやすい魚です!
  2. ●女性に嬉しいコラーゲンたっぷりの魚です!
  3. ●肝は味が良くて、ミネラル、ビタミンA・D・Eが豊富な食材です!

出回り時期

冬の鍋の季節が美味。暑い時期以外はいつも入荷がありますが、特に寒い時期には需要もあり入荷量が増えます。近海ものは高値ですが、東シナ海、中国から輸入されたものは比較的安価です。市場では腹を割き、肝が見えるようにした状態で売られることが多くあります。最近、活魚での入荷もよく見かけます。大阪市場に入荷する主な産地としては、島根県、石川県、山口県をはじめ、新潟県や兵庫県などです。主に底曳き網で漁獲されます。

栄養&機能性

「あんこう」は水分含有量が85%ときわめて多く、たんぱく質や脂肪がきわめて少ない魚です。肝はとても栄養価が高く、貧血を予防する鉄分や、味覚・嗅覚の働きを正常にする亜鉛、鉄と協力してヘモグロビンを合成する銅などを多く含みます。また、脂溶性ビタミン類が非常に多く含まれていて、目や皮膚の健康を保ち抗酸化作用でがんや老化を予防するビタミンA、骨を丈夫にして骨粗しょう症を防ぐビタミンD、若々しさを保つビタミンEも多く含みます。また脂肪が多いので、多価不飽和脂肪酸もたくさん含んでいます。

あんこうの食品標準成分表

おいしい魚介の選び方

切り身は、身が白っぽいピンク色でツヤのあるものを。
  • 丸まま一尾を購入することは稀だと思いますが、購入する場合は、できれば大型で、触って張りのあるもの。粘液に透明感のあるものが良いでしょう。肝がしっかり入っているものを選びましょう。胃から傷んでくるので、ここが臭うものは鮮度が落ちている証拠です。切り身を選ぶ際には、身が白っぽいピンク色でツヤがあり、プリプリしたものを。肝は白っぽいピンク色でトレイなどに血水が出ていないものを選びましょう。

お料理・活用方法

「あんこう」といえば鍋。肝やほかの部位を使った郷土料理も。

「あんこう」の料理は、体の温まる冬の風物詩。 「西のふぐ、東のあんこう」といわれるほど、関東では珍重されてきました。昆布出汁で煮て、しょう油、みりんの割下で味つけした、あっさりしたしょう油仕立ての鍋は、東京などで好まれています。茨城県水戸では、身、皮、えら、胃袋、卵巣などを茹でて、肝の入った味噌をつけながら食べる“あんこうの共和え(ともあえ)”が食されています。また、水戸市、ひたちなか市、北茨城市では、肝を炒りつけ、身、皮、内臓などを入れて、味噌で煮ながら食べる“あんこうのどぶ汁”という料理もあります。ほかにも、ぶつ切りにした「あんこう」を昆布出汁で煮て、豆味噌を溶いた“あんこう汁”も美味。

「あんきも」は、あんこうの肝(肝臓)を取りだし、血管や皮膜などを取り除き、ホイルで巻いて蒸し上げたもの。甘味と独特の渋み、旨味が感じられて美味しいです。唐揚げは、身を適宜に切り、脱水シートで水分を適度に取り除きます。これに片栗粉をまぶして揚げ、塩コショウを振ります。

 

お店・ご家庭のレシピに加えてください! 美味しい食し方をご紹介

① 生食 刺身
② 煮物 煮つけ
③ 汁物 しょう油鍋、味噌仕立て鍋、あんこう汁、どぶ汁(茨城)、スープ
④ 油料理 唐揚げ
⑤ その他の料理 あんきも、あんこうの共和え(茨城)

よくある質問

Q.「あんこうの七つ道具」とは何ですか?

A:「あんこう」は捨てるところがない無駄のない魚で、可食部の7つを「七つ道具」ということがあります。最近はスーパーなどでも全てさばかれているものが販売されていて、「七つ道具」もパックで売られています。
①肝、②皮、③とも(ヒレ)、④水袋(胃)、⑤ぬの(卵巣)、⑥エラ、⑦柳・大身・台身(身) が「七つ道具」と呼ばれます。
高価な①肝を含まず、“六つ道具”でも充分に「あんこう」の美味しさを味わっていただけます。




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