お魚は健康食!お魚を毎日食べましょう!

鯔

ぼら

分 類:ボラ目ボラ科ボラ属 生息域:北海道以南。熱帯西アフリカ~モロッコ沿岸をのぞく全世界の温帯・熱帯域

学 名:Mugil cephalus 英 名:Flathead mullet

古くは高級魚とされた白身魚。卵巣は高級食材「からすみ」に。

「ぼら」はもともと日本人の生活に深い関わりを持っていて、お食い初めや神事、祭りなどで使われてきました。成長により名前を変える出世魚で、地方によって多少異なりますが、体長2~3cmのものを「はく」、10cmくらいまでを「すばしり」、5~18cmを「おぼこ」、10~25cmを「いな」、30~40cmを「ぼら」、40もしくは50cm以上を「とど」と呼びます。慣用句の「とどのつまり」は、ぼらの行きつくところである大型の「とど」が語源ともいわれています。「とど」を「からすみぼら(唐墨ぼら)」ということもあります。

「ぼら」の語源は、「ほばら(太腹)が転じて」、「掘るの意味で、『ぼら』は頭を泥に突っ込んで餌を食べるから」などの説があります。
漢字では「鯔」で、「いな」とも読みます。若魚である「いな」の背のように髪を結んだ魚河岸の若者から、「いなせ」という言葉が生まれたという説もあります。意味は、勇み肌で粋な若者のこと、またその様子。威勢よくさっぱりした気っ風の若者のことを指します。

体は細長く、頭部が平たく、目に脂瞼(脂肪の膜)があるのが特徴。産卵期は10~1月で、秋になると黒潮の影響のある暖かい場所に回遊、産卵します。「ぼら」の卵巣を塩漬けにしてじっくり干し上げた「からすみ(唐墨)」は、日本三大珍味のひとつ。中国でつくられる墨に似ているところからこの名があります。独特の風味があり、高級食材となっています。また「ぼらのへそ」「そろばん玉」と呼ばれる、胃の出口の部分も珍重されています。「ぼら」は泥ごとエサを食べるため、胃の出口は筋肉が発達してそろばん玉のような形のかたまりになっています。塩焼きで食すとコリコリした歯ざわりがあり、こちらも珍味。

おさかなセールスポイント

  1. ●うおちりの具材にもオススメです!
  2. ●脂肪分が少なくとってもヘルシー!
  3. ●ミネラル分をバランス良く含むお魚です!
  4. ●(からすみ)お酒のアテに、日本三大珍味はいかがですか!

出回り時期

10〜1月の寒い時期にかけて入荷してきます。非常に安値。卵巣は秋から新年にかけて入荷してきますが、こちらは非常に高く、大きいものほど高価です。幽門部(ぼらのへそ)も地域によっては単独で流通します。主な産地は、徳島県、宮崎県をはじめ、兵庫県などです。

栄養&機能性

たんぱく質が約2割、脂肪が0.5割弱の、典型的な白身魚。骨の材料となるカルシウムやマグネシウム、血圧の上昇を防ぐカリウム、貧血予防に役立つ鉄分などを、少なめですがバランス良く含みます。ビタミンB群は多めで、体内の糖質の利用を助けるビタミンB1、赤血球の形成に不可欠なビタミンB12、お酒をたくさん飲む人に欠乏しがちなパントテン酸などが豊富です。

ぼらの食品標準成分表

おいしい魚介の選び方

黒っぽく、ウロコがきれいに並んでいるものが新鮮。

触ってしっかり張りのあるもの。また黒っぽいものの方が良く、白っぽくなったものは古い証拠。ウロコが剥がれず、キレイに並んでいるものほど新鮮です。

お料理・活用方法

冬は絶品・なべの具材として人気。鮮度が良いものは刺身がオススメ。

「ぼら」は瀬戸内や西日本で珍重される魚です。旬は秋から冬。特に冬の「ぼら」は美味しく、鍋の具材としても人気です。
クセのない上質の白身で、身離れが良く、美味しい出汁が出ます。熱を通しても身がかたく締まりません。大小での味の差はあまりありませんが、大きいほど脂がのっている場合が多いです。ウロコはかたく、大きくて取りやすいです。皮は厚みがありしっかりしていて、骨はややかため。おろすときには、内臓に泥を噛んでいることがあるので注意が必要です。不思議なことに、卵巣が成熟して身が痩せても脂はのっています。
鮮度の良いものは刺身や洗いがオススメ。血合いが赤く、透明感のある白身。甘味や旨味があり、色合いも美しい一品です。ただし、寄生虫に注意する必要があります。

愛知県海部郡蟹江町の郷土料理“いなまんじゅう”は、「ぼら」の若魚の口から内臓と中骨を抜き、そこに銀杏やニンジンなどを味噌と一緒に詰めて焼き上げるものです。
石川県穴水町、能登町では、「ぼら」を切り身にして素焼きにし、みりん・酒・砂糖・しょう油などでつくったタレを塗り、さらに数回焼きます。これをご飯にのせてお茶を注ぐ“ぼらちゃず(ぼらの茶漬け)”が食されています。金沢市では、「ぼら」の照り焼きを“色焼き”と呼び、香川県東部では、「ぼら」を入れた炊き込みごはん“ぼら飯”が食されています。
北海道の郷土料理“ちゃんちゃん焼き”の具材としても美味しく召し上がれます。

お店・ご家庭のレシピに加えてください! 美味しい食し方をご紹介

① 生食 刺身、洗い、寿司ネタ
② 焼物 塩焼き、幽庵焼き、色焼き(金沢市)、ムニエル
③ 煮物 煮つけ、味噌煮
④ 汁物 ちり鍋
⑤ 油料理 フライ
⑦ その他の料理 いなまんじゅう(愛知県海部郡蟹江町)、ぼらちゃず(石川県穴水町、能登町)、ぼら飯(香川県東部)、からすみ

関連品・加工品紹介

  • からすみ

    「からすみ」とは、「ぼら」の卵巣の塩漬けです。江戸時代より、越前の「うに」、三河の「このわた(なまこの内臓の塩辛)」、肥前の「からすみ」とともに、日本の三大珍味と呼ばれています。「からすみ」の歴史は古く、古代ローマ時代の地中海で「ぼら」の卵巣の加工品がつくられていました。古代ギリシャ、エジプトでも製造され、シルクロードを経て安土桃山時代に中国から長崎に伝わったとされます。その味わいは、塩辛くねっとりとしたチーズのようで、高級食材として珍重されています。




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