お魚は健康食!お魚を毎日食べましょう!

鰒・河豚

鰒・河豚

分 類:フグ目フグ亜目フグ科トラフグ属 生息域:北海道から種子島

学 名:Takifugu rubipes 英 名:Globefish,Blowfish,puffer

食感、旨味は絶品で、非常に高価な魚。養殖ものや身欠きふぐは、一般の売場でも。

日本では、古くは縄文時代の貝塚から「ふぐ」の化石が発見されており、昔から食されてきたといわれます。一般に「ふぐ」というとトラフグ属のものを指します。「ふぐ」は北海道や東北でも漁獲されてはいますが、主な産地は西日本で、消費も西日本が中心となっています。大阪は日本一の消費地で、全消費量の約6割を消費しているそうです。
フグ科の魚は全世界に約160種が生息しています。その内、日本周辺の海域には約50種が分布しており、その内食用とされているのが「とらふぐ」、「まふぐ」、「さばふぐ」、「くさふぐ」、「ごまふぐ」など22種類あります。「ふぐ」の中でも、魚介の中でももっとも高価なのが「とらふぐ」です。

「天然ふぐ」は山口県下関市南風泊市場が古くから集散地です。両口の開いた黒い袋に手を入れて行う独特の競り方「袋競り」は、冬が近づくと風物詩のようにテレビで紹介されています。天然ものは非常に高級で、また『ふぐ調理免許』が必要なため高級料亭や専門店でしか、なかなか口にする機会の少ない魚でした。「ふぐ」の持つ猛毒の正体はテトロドキシンという物質で、一匹で数十人の命を奪うほどの量を含んでいます。そのため、大阪府域では、「ふぐ」を処理あるいは販売する場合には、『大阪府ふぐ販売営業等の規制に関する条例』に基づく、許可が必要です。

近年は、養殖技術の発達に伴い「養殖ふぐ」の生産も増え、特に関西では一般のスーパーでも毒を取り除いた“身欠きふぐ”など薄造りになったお手軽なセットもよく見かけ、ご家庭でも食することができるようになりました。「ふぐ」は身持ちが良く、鮮度が落ちにくいため、“身欠きふぐ”でも十分美味しく味わえます。また、「ふぐ」の身は繊維質で、肉質の歯ごたえも強いため、締めてからすぐに食すよりも、むしろ1〜2日程熟成させてから食べた方がより旨味を味わえます。前述しましたが、おいしいふぐ料理を家庭でも簡単に味わうためには、使用する「ふぐ」は、必ず『ふぐ取扱登録者』のいる『ふぐ販売営業許可』のあるお店で処理された“身欠き”もしくは“切り身”を購入し調理してください
※都道府県により販売許可の名称が異なります。前述のものは大阪府・大阪市のものです。

全ての「ふぐ」に毒があり、食べることができないわけではありません。一般的に食べられている「とらふぐ」であれば、筋肉、皮、精巣は食べることができます。ですが、種類によっては、これらの部分にも毒があるので、「ふぐ」の種類別に食べられる部分が決められています。そのため、可食部分以外の部位(例えば、眼、脳、エラ、内臓等)は、食用として認められておらず、特に肝臓や卵巣は毒性が強いため、危険です。(毒性には個体差、季節差があります)また、種類によっては食用を認められていない「ふぐ」もいますので、十分にご注意ください。

「ふぐ」は、山口県下関市が本場として知られていますが、「ふぐ」の産地というよりは集積地です。下関近海でも「ふぐ」は獲れますが、現在では天然もの、養殖物問わず日本全国からはもちろん輸入もの(中国、韓国)なども海外から下関に集められています。下関が「ふぐ」の本場といわれるようになった理由として、豊臣秀吉の時代から江戸時代まで禁食とされていた「ふぐ」が、明治期にふぐ食が解禁になった地が下関であり、それ以降、ふぐ料理店が数多くできたことなどが背景にあります。さらに、「ふぐ」は水揚げ後の加工が重要であるため、この加工業者、加工場がその歴史的背景などから下関に集積している点も大きいといえます。

山口県下関などでは、「ふぐ」は「不具」に通じるとして「福(ふく)」と呼んでいます。また、大阪で「ふぐ」を「てっぽう」というのは、当たると死ぬという洒落から。

  • 「養殖ふぐ」について
    「ふぐ」は高級魚であるため養殖が盛んです。「とらふぐ」の流通量の約半分は養殖ものです。養殖の「とらふぐ」は天然ものに比べて、尾ヒレを含め全体に黄色みを帯びているのが特徴で、2kg以上の大きさにはなりません。
    「ふぐ」の養殖で有名な産地は長崎県、熊本県や香川県などがあり、愛媛県愛南町では陸上養殖が行われています。現在のように養殖が盛んになったのは水産庁や熊本県などのように養殖ふぐ生産地の各自治体による養殖マニュアルが作成されてから以降といわれています。

各地でのブランド「ふぐ」の紹介
●「玄海とらふぐ」…福岡県宗像市の漁港で、従来下関に水揚げしていた「ふぐ」の一部をブランド化を目指して売り出したもの。
●「讃岐でんぶく」… 香川県で水揚げされる「なしふぐ」に対して香川県漁連が認定しているブランド。
●「九十九島とらふぐ」…長崎県では身が締まるように早摘みミカンをエサに使うほか、かみ合って傷つけないよう年に数回「歯切り」をするなどの飼育が特徴。
●「みやざき金ふぐ」…宮崎県の「しろさばふぐ」。日本三大荒海の一つである日向灘で育った、安全・安心な天然の「シロサバフグ」を「時期」・「サイズ」・「鮮度」にこだわって水揚げしたもの。
●「長崎ふく」…長崎県は「とらふぐ」養殖生産量日本一。養殖研究を重ね、身の色、ツヤ、丸々とした体、肉質などにこだわったもの。

おさかなセールスポイント

  1. ●冬の味覚!ふぐちり、てっさ、ヒレ酒など余すことなく味わえます!
  2. ●刺身、焼物、フライなどお料理万能なお魚です!
  3. ●豊富な旨味成分が、ふぐ独特の味わいをつくりだしています。
  4. ●低脂肪・低カロリーで女性の方にもオススメです!

出回り時期

旬は産卵前の冬で、天然もの、養殖ものを含め夏場以外は多く流通しています。味が良くなる時期が鍋シーズンと重なり、入荷量も多くなります。天然ものは山口県、石川県、徳島県などからの入荷が主体で、養殖ものは、 長崎、熊本、、香川県からのものが多くなっています。養殖ものをはじめ流通量は多く、いろんな形態で入荷します。大型の天然ものがもっとも高値。養殖ものも高いですが、値段と流通量は安定しています。

ふぐの出回り時期

※この表は大阪市中央卸売市場本場での(平成27年)月別品名別産地別取扱高表をもとに作成しています。各都道府県全体の出荷量ではありません。魚介類の場合、野菜等のように出回り時期が安定していないことが多いのでご注意ください。地域や地方によっては、これと異なる場合があります。また、豊漁、不漁による影響もありますのであらかじめご理解ください。取扱量に応じて色分けしています。一年でもっとも取扱量の多かった月を基準(赤色)として毎月の取扱量を比較し、各月の取扱量をその割合に応じて濃淡で示しています。産地の表記は取扱量の多い上位3県を表記しています。参考:大阪市中央卸売市場(平成27年1月~12月 本場:月別品名別産地別取扱高表)

栄養&機能性

脂肪含有量が1%以下ときわめて少なく、カロリーも低い魚です。「ふぐ」のたんぱく質には、旨味成分であるイノシン酸、グリシン、リジンというアミノ酸が多く含まれています。これらが、独特の旨味をつくりだしています。締めたばかりの「ふぐ」にはほとんど味がないと言われ、死後十数時間熟成させてアミノ酸が増えることにより、旨味が増します。
「ふぐ」の皮にはコラーゲンが多量に含まれており、これが独特の歯ごたえを生み出しています。コラーゲンは皮膚や髪の老化を防ぐ働きを持ちます。

ふぐの食品標準成分表

おいしい魚介の選び方

一般には「身欠き」を買います。透明感と弾力のあるものを。

活魚はプロのみが取り扱えます。一般には、毒の除去、皮の処理を済ませた「身欠き」が売られています。「身欠き」は、透明感があってやや飴色がかっており、ふっくらして弾力と光沢があるもの。活け締めは身に張りのあるもの、目が澄んでいるものを選びましょう。

日本で養殖されているのは、「とらふぐ」のみ。近年では、養殖技術が発達し、薄造りにされて皿に並べられると養殖ものかどうかプロでも見分けがつかないものも多くなってきています。丸ままのものを選ぶ際には、まずは天然か養殖ものかを見極めたいものです。「ふぐ」は気性が荒く、共食いします。養殖ものは尾ビレがちぎれていたりしますが「天然とらふぐ」の尾ビレはしっかりしたものがついています。また、養殖ものは2kg以上になることは少なく、2kgを越す大物なら天然もの。養殖ものは、天然ものに比べて、全体的に黄色みを帯びています。

お料理・活用方法

てっさとてっちりが定番。皮ぽん酢やひれ酒も美味。

旬は冬 。よくしまった白身で、鮮度が良いとかたくて旨味がほとんど感じられず、少し寝かせると美味しくなります。「ふぐ」の取り扱いには規制があり、一般の人は調理できません。

ふぐ料理といえば刺身と鍋が代表的。刺身(ふぐさし、てっさ)は、一日寝かせた「ふぐ」の身を薄造りにします。「ふぐ」の筋肉は結合組織が強く、噛みきれないほどかたいため、お皿の模様が透けて見えるほど薄くそぐくらいでちょうどよい歯ごたえが楽しめるのです。鍋(ふぐちり、てっちり)は、「ふぐ」や季節の野菜を味わった後の、〆の雑炊もまた格別です。また、骨付きの身をポン酢やみりんしょう油などにつけて焼く「つけ焼き」も非常に美味。唐揚げも、鶏肉のようでジューシーな味わいです。

身以外の部分も多彩に食すことができます。皮は、表皮のトゲをそぎ取り、軽く湯にくぐらせて千切りにし、ポン酢などをかけて食べます。白子(精巣)は珍重され、塩焼きにしたり、鍋に加えたりして味わいます。ヒレは素干しにしたものを焦がすほどに炙り、熱燗を注いで「ひれ酒」にします。

長崎県島原地方では“がね炊き”という料理が食されています。別の鍋に酒、しょう油を煮立てて、別の鍋でから煎りしたアラやぶつ切りの身を、梅干し、ニンニクの葉と一緒に、水分がなくなるまで煎り煮にします。“がね(カニ)”の身に似た味と歯ごたえからきた料理名です。また、厚めのそぎ切りにした身を熱湯で湯引きし、冷水に取り、水分をよく拭き取って、酢ぬた(酢みそ)か酢しょう油で食べる湯引きもこの地方ならではの食べ方です。

お店・ご家庭のレシピに加えてください! 美味しい食し方をご紹介

① 生食 刺身、湯引き
② 焼物 つけ焼き
③ 煮物 がね炊き
④ 汁物 ふぐちり
⑤ 油料理 唐揚げ
⑥ その他の料理 皮ぽん酢、白子焼き、ひれ酒

関連品・加工品紹介

  • ふぐ白子

    白子とはオスにしかない精巣のこと。「ふぐ白子」は、一尾のオスの「とらふぐ」からほんの少ししか取れない希少な食材です。「ふぐ」は毒を持つことで有名ですが、種類により毒のある部位が異なります。「とらふぐ」の白子には毒はなく、その美味しさからも非常に珍重され高値で取り扱われます。「とらふぐ」の白子が一番美味しい時期は、産卵前の冬時期で、白子が最も丸々と太っています。その味は芳醇でクリーミー、とろけるような舌触りとほのかな甘味が人気の理由といえます。

  • 開干ふぐ

    「開干ふぐ」とは、「ふぐ」を開きにして2枚、または3枚におろし、塩水または調味液に漬け込んで乾燥させたもの。焼いたり、フライなどにして食するのに適します。近年は、ニーズとして低塩分で、高水分を好む嗜好の変化もあって一夜干しが人気となっているようです。

    「開干魚介類」のページを参照する

よくある質問

Q.「ふぐ」の毒はどの部分にあるのですか?

A:多くの種の「ふぐ」は、内臓、皮膚、血液中にテトロドキシンという物質を持っています。テトロドキシンは海洋細菌によってつくられ、食物連鎖を通じてふぐ類の体内に蓄積されることがわかっています。「ふぐ」の毒の有無と毒力の強さには、主や固体、部位により差異があるほか、季節的変動や地域差もあります。「とらふぐ」では、卵巣・肝臓は強毒、腸は弱毒、筋肉・精巣・皮膚は無毒です。“ふぐ食”と中毒の逸話にはこんな話が残っています。
豊臣秀吉が朝鮮出兵の際に、全国より集めた兵士が、「ふぐ」の食べ方を知らず、中毒で大問題になり、「ふぐ食用禁止令」を出しました。 それ以後、江戸時代も“ふぐ食”は禁止されていましたが明治に入り、初代総理大臣の伊藤博文が、下関市で食した「とらふぐ」 の旨さに感嘆し、明治21年に全国に先駆けて山口県の“ふぐ食”を解禁させました。大阪では昭和16年に解禁となりました。




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