お魚は健康食!お魚を毎日食べましょう!

間八

かんぱち

分 類:スズキ目スズキ亜目アジ科ブリ属 生息域:南日本、東部太平洋をのぞく全世界の温帯・熱帯域

学 名:Seriola dumerili 英 名:Greater amberjack

年間通して味落ちしない高級魚。養殖ものも美味しく人気が高い。

体長1.8m、重さ80kg前後と、アジ科のなかでもっとも大きな魚です。体色は赤紫色を帯びています。ブリ属のなかでは体高が高いです。目を通るななめの帯があり、尾ビレ下側の先端が白く、上あご後端の上角は丸くふくらんでいます。稚魚は「もじゃこ」と呼ばれ、「ぶり」同様、流れ藻につきます。船釣りや磯釣りなど、釣り魚としての人気も高いです。

産卵期は3月から8月。「ぶり」よりも暖かい海域に多く、関東よりも西日本で漁獲されます。「ぶり」に似た青魚ですが、脂の乗った魚の少ない夏場に獲れることもあり、昔から珍重されてきました。刺身として非常に人気が高いですが、あまりまとまって獲れないのため、天然ものは高級です。最近では盛んに養殖されており、養殖魚の刺身としては「しまあじ」「かんぱち」「ぶり」の順で値段が高いです。養殖ものは体色が緑っぽく、天然物は赤みが強くて尾ビレが大きいです。
小型でも味が良く、夏が旬といわれていますが、年間を通してあまり味が落ちないのが特徴です。

漢字では、「間八」「赤頭」。「間八」はもともと、東京での呼び名です。左右の体側にななめに太い暗褐色の線があり、顔を正面から見ると「八」の字に見えることに由来します。

地方での呼び名は、「だいりき」(京都府舞鶴市舞鶴魚市場)、「あかばな(あかはな)」(島根県多岐町)、「あかひら(赤平)」「あかびら(赤平)」「あかばり」「あかば」(島根県)、「しおう」「しお」(徳島県阿南市、徳島県海部郡海陽町)、「ねれ」「ねう」(愛媛県愛南町)、「ねご」(鹿児島県日置市東市来)、「うちむる」「うちむるー」(沖縄県沖縄本島・八重山)、「あかばー」(沖縄県宮古)などがあります。

成長にともない名前が変わる出世魚のひとつです。
千葉県外房、東京、相模湾では、若魚を「しおっこ(汐っ子)」、また若魚の小さなものを「しょっこ」、三重県尾鷲市では、5cmから10cmの幼魚を「しょっぱ」、若魚を「しょおご」「しょっこ」、60cm程度の中型魚を「ひよしお」、高知県では、幼魚を「あか(赤)」「かんぱち」「ねいり」「ねいりこ」「はちまき」などと呼ばれています。
小型魚なら「しお」「ちぎ」「ちぎりき」「ねいり」、中型魚では「あかはた(赤肌)」「ねいり」「にいり」、大型魚になると「がた」「こじお」「しお」「そじ」「ちぎりき」、特大魚では「あかはな」「おーしお(大しお)」「しお」と呼び分けられています。

「かんぱち」の養殖
美味しいのに漁獲量が少なく高価、しかも成長が早い「かんぱち」は、まさに“養殖向き”の魚といわれています。鹿児島県を中心にさまざまな地域でも養殖が盛んにおこなわれています。桜島、根占、垂水などでは、いわゆるブランド「かんぱち」が養殖されていて、長年研究もおこなわれています。入荷量のもっとも多い産地は、愛媛県で、高知県、香川県と四国三県で全体の2/3の量を占めます(2015年実績)。他にも宮崎県、大分県などが多くなっています。

近年では、果物などを混ぜ込んだ飼料を与える「フルーツ魚」といわれる養殖魚が市場に出回っています。これは、果物に含まれるポリフェノールの魚の変色を抑える効果を活用したもので、独特の香りやさっぱりとした脂身が人気です。「かんぱち」では、「ゆずかんぱち」(高知県)、「レモンかんぱち」(高知県)などがあります。

おさかなセールスポイント

  1. ●刺身、照り焼き、煮物、フライなどお料理万能なお魚です!
  2. ●夏の高級魚!脂がのって旨い!上品で最高の味わいを堪能!
  3. ●魚が苦手でも、この魚は食べやすい!
  4. ●夏のスタミナ源にカンパチ!
  5. ●美肌・健康に嬉しい成分もたっぷり!

出回り時期

一般に旬は夏といわれていますが、養殖物がほとんどですので通年入荷があります。冬の時期の「ぶり」と、夏に旬を迎える「ひらまさ」の合間の旬魚として人気が高い魚です。値段は養殖も天然も高く、大小問わず高価。入荷量が多い産地は、天然ものでは、長崎県、鹿児島県、高知県。養殖ものでは、愛媛県、高知県、香川県の三県で入荷量の約6割を水揚げしています。

栄養&機能性

中性脂肪やコレステロール低下作用のある不飽和脂肪酸のDHAやEPAが多く含まれています。さらに、カリウムの含有量は、青背魚の中ではトップレベルです。カリウムは多くの酵素を活性化させることで、筋肉のエネルギー代謝を促進し、神経伝達を助ける働きがあります。また、腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制する働きがあるので、余分なナトリウムを尿として体外へ出す働きを促すため、血圧を下げる効果があるとされています。そして、注目なのが、ビタミンB群の一種であるナイアシン。エネルギー代謝の補助酵素であり、アルコールや二日酔いの原因となるアセトアルデヒドの分解でも活躍します。そのナイアシンを、甘エビの約4倍も含むとされます。

かんぱちの食品標準成分表

おいしい魚介の選び方

ぬめりが残り、えらの中が鮮やかな紅色のものを選びましょう。

天然ものの方が身が締まって味が良いといわれます。天然ものと養殖ものの見た目での違いは、尾ビレで見分けることができます。天然ものは尾ビレの先の形が、中心で鋭く切り込みが入ったようになっているといわれます。養殖ものは体にやや丸みがあり、尾ビレの先が描く線が曲線の物が多く、切れ込みが丸くなっています。身の色も天然ものはややピンクがかっており、養殖ものは脂がのって白っぽい色をしています。
丸一尾で2~3kg程度のものが美味。なるべく活け締めされたものが良く、目が澄んでいて、黄色の縦線が鮮やかで、全体にぬめりが残っていて、腹に張りがありしっかりしているもの。エラの中が鮮紅色のものを選びましょう。

切り身は、血合いの色が鮮やかな赤色で、身が透き通ったように感じるものを選びましょう。

お料理・活用方法

小ぶりでも味がよく、旨味がしっかり味わえる刺身が人気。

「かんぱち」は小ぶりでも味が良い点が特徴です。薄桃色の身はよく締まって透明感があり、脂はあるのにあっさりとした上品な味。コリコリした食感で、養殖ものでもこの触感は失われていません。ウロコは細かく取りにくいので、金たわしやブラシでこすり取ったり、包丁ですき引きします。大型のものは身がかたくなるので、体重5~6kgの中型のものが特に良いといわれます。旬は産卵後の夏から秋口とされ、食感が良く、旨味があります。刺身、寿司ネタとして人気が高く、煮つけ、塩焼きにしても美味しい。

刺身としては、同じサイズなら「ぶり」よりも身が締まり、旨味もしっかりしています。関東では秋の「汐っこ」(若魚)が好まれるようで、カルパッチョにしても。

昆布出汁などの鍋を仕立てて「しゃぶしゃぶ」にしても良いでしょう。甘辛く煮つけたアラ煮も美味。「ぶり」と同じように、ダイコンと煮ても相性が良く、塩焼きや照り焼き、幽庵焼きや西京焼きにしたり、思い切ってフライにしても美味しく召し上がっていただけると思います。

残った刺身などを、すりゴマ、しょう油、みりんのタレに漬け込んでご飯にのせて食べる“りゅうきゅう”、“あつ飯”、“ごまづけ”など、さまざまな郷土料理にも使われています。

お店・ご家庭のレシピに加えてください! 美味しい食し方をご紹介

① 生食 刺身、カルパッチョ、セビチェ
② 焼物 塩焼き、幽庵焼き、照り焼き、西京焼き、ムニエル
③ 煮物 大根炊き、アラ煮
④ 汁物 味噌汁、しゃぶしゃぶ、潮汁
⑤ 油料理 フライ、唐揚げ
⑥ その他の料理 りゅうきゅう、あつ飯(大分)、ごまづけ

ご家庭でも簡単!食べきれなかった「かんぱち」で二度美味しく!

一尾丸ごとでも、切り身のパックでも、大きくてついつい余りがちになってしまうのではないでしょうか。そこで、残ってしまった刺身などもアレンジして、美味しく召し上がってみてください!逆に、大きめのものを買っておくのも、安価に美味しく食べることができて、二度美味しいですね!
刺身のまま保存する場合、ラップできっちり包んでチルド室で保存。翌日早めに使い切るようにしましょう。
①しょう油に漬け、お茶漬けにしても美味しい!新鮮なアラは、味噌汁やアラ煮に。
②昆布締め。
③切り身は味噌漬けにして冷蔵保存。冷凍保存ならさらに長く楽しめます。

夏前〜盛夏は「ひらまさ」、夏〜秋は「かんぱち」、冬は「ぶり」で!

「かんぱち」と「ぶり」、「ひらまさ」の三種はとてもよく似ています。いずれも、スズキ目アジ科ブリ属に分類され、種が「かんぱち」、「ぶり」、「ひらまさ」です。いずれも寿司ネタとしても人気があります。
外見での特徴は、「ぶり」は魚体に厚みがあり、頭が大きく、体側の黄色い線が薄く、口角の形が鋭角です。「ひらまさ」は魚体が平たく、頭が「ぶり」より小さく、体側の黄色い線がはっきりしています。「かんぱち」は頭頂から目を通り上あごに達する黒褐色の帯模様がななめに走っていて、これが正面から見ると漢字の「八」の字に見えます。
一晩寝かせてから刺身にすると、「ぶり」の身はずいぶんやわらかくなりますが、「かんぱち」と「ひらまさ」の身はしっかりとしていて、コリコリとした歯ごたえになります。

仲間紹介

  • ぶり

    体長80cmを超えます。年取り魚は、西日本の「ぶり」、東日本の「さけ」と東西で分かれます。「ぶり」は年末年始の贈答用などとしても重要です。歳時記では冬で、この時期に脂がのって美味しくなります。刺身、照り焼きなど、総菜としても人気があります。最近では値段の低下とともにお弁当などにも使われています。一般に流通する多くは養殖で、天然ものは少ないです。

    「ぶり」のページを参照する

  • ひらまさ

    体長1.2m前後。左右に平たく、「ぶり」よりも体高が高いです。体側中央に縦に黄金色の帯が走っています。旬は夏。ぶり属3種(「ぶり」、「かんぱち」、「ひらまさ」)のなかでも「ひらまさ」は獲れる量が少なく、もっとも知名度が低いです。養殖もおこなわれていますが、ブリ属ではもっとも少量です。味のいい期間が長く、白身の少ない時期に旬を迎えるので、プロの間では人気が高い魚です。

    「ひらまさ」のページを参照する

  • はまち

    「ぶり」は成長していくと名前が変わる出世魚です。関西では、体長20〜40cmのものを「はまち」と呼んでいます。ほかには、体長10〜15cmを「つばす」、50〜60cmを「めじろ」、80cm以上のものを「ぶり」と呼びます。このように西日本では「ぶり」の小型を指す名前が「はまち」です。

よくある質問

Q.「かんぱち」と「ぶり」は同じ魚ですか?

A:いいえ。「ぶり」が出世魚ということはよく知られており、「かんぱち」と「ぶり」が似ていることから、同じ魚の別名と勘違いされている方は少なくありませんが、同じ「ブリ属」の、別の魚です。「ぶり」、「かんぱち」、「ひらまさ」のことを「ブリ属3種」ともいいます。「ぶり」は「寒ぶり」ともいわれるように冬が旬ですが、「かんぱち」の旬は夏から初秋。「かんぱち」は「ぶり」よりあっさりとした味わいです。




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