お魚は健康食!お魚を毎日食べましょう!

鰹

鰹

分 類:スズキ目サバ亜目サバ科マグロ族カツオ属 生息域:日本近海、世界中の熱帯・温帯海域

学 名:Katsuwonus pelamis 英 名:Skipjack tuna, Oceanic bonito

「初がつお」と「戻りがつお」、季節によって違う味わい。

「かつお」は代表的な回遊魚で、日本近海には2月頃、大群で姿を見せます。日本に来る群れにはいくつかあり、代表的なものは伊豆諸島方面を北上するものや、沖縄方面から黒潮に沿って九州、本州の太平洋を北上するものです。4~5月頃には駿河湾~東京湾のあたりに到達。この頃には、脂が適度にのり旨味も増します。これが初夏の風物詩「初がつお」と呼ばれるものです。秋には東北からUターンして南下し始め、三陸沖あたりで獲れるのが「戻りがつお」です。体長は1mを超え、身体は紡錘形、腹側に黒い縞模様があります。一生、昼夜問わず泳ぎ続けるその速度は、平均時速25㎞、最高時速は100㎞にも。大きいほど脂がよくのっていて美味です。

「かつお」は、勇壮な一本釣りが有名で、一本釣りのものが市場では珍重されます。ほかにも巻き網漁や曳き縄漁での漁獲があります。一本釣りは、「かつお」の群れを発見すると、生きた「いわし」などのエサをまいて、疑似餌を付けた“かえし”の無い釣針で一気に釣り上げます。西日本では、紀州の“けんけん漁”が有名で、和歌山県周参見では「すさみケンケンかつお」としてブランド化され、市場でも高い評価を受けています。曳き縄漁はほとんどが小型船での漁で、一尾ずつ締め処理を行なうため鮮度が非常に良いのが特徴です。

「初がつお」は脂肪分が少なく、1.5〜3.0kgサイズの小中型が中心で、大きいものほど身色の赤味が濃く、高い評価を受けています。8月頃に房総沖で獲れるものは、皮の下に脂肪をたっぷりと蓄えていて、これが9〜10月になって三陸沖に移動してくると、魚肉の内側まで脂がのり「戻りがつお」と呼ばれます。「かつお」には二度の旬があり、「初がつお」は鮮やかな赤身の爽やかな風味を味わい、「戻りがつお」は濃厚な旨味を味わうことができます。春の「かつお」は皮がやわらかく、腹側は皮をつけたまま刺身(銀皮造り) にすると見ためも鮮やかです。

「かつお」は、鮮度落ちが早い魚で、古くは生食ができないことから保存用として干し固めて食べていました。干し固めたものを「堅魚=かたうお」と呼び、これが後に「かつお」となり、そのまま魚名になったといわれます。「かつお節」などの加工品が有名ですが、身以外の部分(血合い、心臓、アラなど)は甘からく煮つけると美味で、その身を余すことなく利用できることでも知られています。現在のように生で食べる食習慣が生まれたのは鎌倉時代からで、鮮魚として出回ることは、産地以外ではまれでしたが、江戸時代後期から刺身用の魚として人気になり、庶民にも手が届く存在となりました。昭和高度成長期までは、塩がつお、「生利ぶし」などの塩干しとして出回っていたものが主流だったと考えられます。冷凍技術や遠洋漁業の発達により、より身近なものとなりました。近年では「かつお」の刺身やたたきはスーパーの定番となっています。

日本の出汁文化を支える「かつお節」は、もちろん「かつお」からつくられています。「かつお節」とは、「かつお」の身を加熱してから乾燥させた保存食品です。魚体を三枚以上におろし、「節」(ふし)と呼ばれる舟形に整形してから加工します。加工工程の差異によって、「かつお」を茹でて干しただけのものを「生利ぶし」、それを燻製にしたさつま節・荒節(あらぶし)、荒節にカビを付けることにより水分を抜きながら熟成させる工程を繰り返した「かつお本ぶし」、「枯節(かれぶし)」、「本枯節」、「仕上げ節」があります。「かつお節」という呼び方は燻製法ができる江戸時代以前にすでに用いられており、各種のものを総じて呼ぶこともあります。カビを生やした「枯節」には、旨味成分やビタミン類が他の「かつお節」より多く含まれ、高級品として扱われています。伝統的な枯節は、土佐、薩摩、阿波、紀伊、伊豆など太平洋沿岸の「かつお」主産地で多く生産されてきました。

おさかなセールスポイント

  1. ●初夏の風物詩「初がつお」は旬の味わい!
  2. ●秋の味覚「戻りがつお」は健康成分もたっぷりで美味!
  3. ●アミノ酸が豊富で、夏の活力源にぴったりのお魚です!
  4. ●タウリンが豊富で、お酒をよく飲む方にオススメのお魚です!

出回り時期

市場には通年出回りますが、入荷量が多くなるのは3〜9月頃。韓国からの輸入ものも春と秋に入ってきます。「初がつお」の時期は、宮崎県、鹿児島県、千葉県から多く、「戻りがつお」の時期は、宮城県、静岡県などや年間を通して漁獲のある鹿児島県から多く入ってきます。

かつおの出回り時期

※この表は大阪市中央卸売市場本場での(平成27年)月別品名別産地別取扱高表をもとに作成しています。各都道府県全体の出荷量ではありません。魚介類の場合、野菜等のように出回り時期が安定していないことが多いのでご注意ください。地域や地方によっては、これと異なる場合があります。また、豊漁、不漁による影響もありますのであらかじめご理解ください。取扱量に応じて色分けしています。一年でもっとも取扱量の多かった月を基準(赤色)として毎月の取扱量を比較し、各月の取扱量をその割合に応じて濃淡で示しています。産地の表記は取扱量の多い上位3県を表記しています。参考:大阪市中央卸売市場(平成27年1月~12月 本場:月別品名別産地別取扱高表)

栄養&機能性

「戻りがつお」の脂肪量は「初がつお」の約10倍ですが、泳ぎ回っている回遊魚ですので、脂肪量もカロリーもそれほど多くありません。中性脂肪を減少させ、血栓ができにくくし、心臓病、痴呆症などを予防し軽減するDHA、EPAが豊富。また、たんぱく質の量は「まぐろ」の赤身に匹敵するほど多く、肝機能を改善したり血中コレステロール値を改善するタウリンも豊富です。「かつお」の赤身はミオグロビンと呼ばれる色素によるものです。血合いの部分にはビタミンやミネラルが豊富に含まれています。「かつお」の血合いはクセがなく美味しく食べられるので、栄養補給にも役立ちます。ビタミンB群も多く、特にナイアシンは一食分(80g)で成人の必要量(17g)をほぼカバーできます。ナイアシンは血行を良くして、二日酔いに効くといわれています。

かつおの食品標準成分表

おいしい魚介の選び方

よく太り、身が締まっているものを、切り身は赤色が濃く鮮やかなものを選びましょう。

丸ままのものを選ぶ際には、体表にある縞模様は、生きているときにははっきりせず、死んだ後にはっきりしてきます。背ビレがピンとしていて、エラが鮮紅色なもが新鮮です。鮮度が落ちてくると鈍い赤になり、やがて白くなります。身が締まり、よく太っているものを選びましょう。
切り身はスーパーなどで、通常は半身、柵、刺身などいろいろな状態で販売されています。色が深く、澄み切った赤色のものを。切り口が虹色に光っているものは鮮度が良くなく、茶色っぽいものは、生食では美味しくありません。トレイにドリップが出ている物は鮮度が落ちていることが多いので、なるべく避けましょう。

お料理・活用方法

たたきが有名。ごはんと合わせる郷土料理も各地に。

旬は春から秋。前部にだけあるかたいウロコをそぎ落としてからおろします。皮は薄く、骨はやわらか。内臓、頭部などに血液が多く、赤身で血合いが大きめ。熱を通すとかたく締まります。

刺身で、また皮目を炙ってタタキにしても美味。高知では、おろした「かつお」の皮を藁などの炎で炙り、ネギ、ニンニク、青ジソなどをのせポン酢(加減しょう油)をかけて、手でたたいてなじませる“土佐造り”が有名ですが、振り塩をして炙り、まだ温かいうちに切って食べる“塩タタキ”という料理もあります。小振りのものを、中心部が生の状態に揚げて、刺身状に切って食べる“揚げタタキ”も絶品で、竜田揚げやカルパッチョにしても美味。

アラなどから旨味の強い出汁が出るので、味噌汁やしょう油仕立て、潮仕立てにしても。またアラの煮つけも美味。

ご飯との相性も良く、静岡県焼津市では甘辛く煮た「生利ぶし」を炊きたてのご飯に混ぜる“かつお飯”が食べられています。また三重県などでつくられる“手こねずし”は、切り身を砂糖じょう油に漬け込んで、酢飯に混ぜ込んだもので、最近ではみりんや酒を使い、また混ぜ込まないで酢飯の上にのせることもあるのだとか。大分県では、小さめに切ってゴマしょう油などに漬け込み、ご飯にのせて食べる“りゅうきゅう”などがあります。

お店・ご家庭のレシピに加えてください! 美味しい食し方をご紹介

① 生食 刺身、タタキ、ぬた、水なます、がわ料理、漬け、塩切り、カルパッチョ、塩たたき(高知県)
② 焼物 腹身塩焼き、塩がつお、幽庵焼、粕漬
③ 煮物 塩ゆで、煮つけ
④ 干物 みそ汁、しょうゆ仕立て、潮仕立て
⑤ 油料理 揚げたたき、唐揚げ、竜田揚げ
⑥ その他の料理 手こねずし(三重県)、かつお飯(静岡県焼津市)、茶漬け、りゅうきゅう(大分県)、鰹節

関連品・加工品紹介

  • かつお本ぶし

    「かつお節」には、大きく分けると荒節と枯節(本枯節)があります。これは、製造工程の違いによる種類と呼び方の違いです。枯節とは6カ月以上の日数をかけて熟成され、 伝統的な加工食品の中で一番手間がかかる食品であるといわれています。その枯節の形の違いにより、さらに呼び名が変わり、「かつお」を三枚におろして加工したものを「亀節」(亀の甲羅に形状が似ているから) と呼びます。また、高級とされている「かつお本ぶし」は、大きい魚体(約3kg以上)の「かつお」からつくられ、一尾の「かつお」から4本の「かつお節」ができます。

  • かつお生利ぶし

    「かつお」を茹でて干しただけのものを「生利ぶし(なまりぶし)」、または生節(なまぶし)と呼び、「かつお」を解体して、蒸す、茹でるなど加工したものです。「かつお本ぶし」のようにかたいわけではなく、切ってそのまま食すこともでき、さまざまな調理の材料として使用することができます。




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