お魚は健康食!お魚を毎日食べましょう!

鱚

きす

分 類:スズキ目スズキ亜目キス科 生息域:北海道南部から九州、朝鮮半島、黄海、台湾、フィリピン

学 名:Sillago japonica 英 名:Japanese whiting,Sand borer

刺身、天ぷらなどでも、あっさり上品な味で美味。おめでたい席でのお吸い物などにも。

「きす」といえば一般的に「しろぎす」のことを指します。白く透明で美しい外見から海の貴婦人に例えられたり、「海のあゆ」とも呼ばれます。江戸時代、「きす」は贅沢なもので、見舞いや祝い事にやりとりされていました。市場では「きすご」などとも呼ばれます。魚の天ぷらタネとして筆頭にあげられる魚です。「しろぎす」は、体長30cm前後で、全体に細く、かすかに赤味がかった灰色で、死んでしまうと白くなります。身は脂肪が少なくやわらかい白身で美味。天ぷらのほか刺身、塩焼きなどに調理されます。ほかにも洋風、中華風と調理の変化をつけて味わうこともでき、下ごしらえで手間いらずの魚です。三枚におろして残った中骨を揚げて骨せんべいにすると食感も美味しく栄養満点です。

市場への入荷は産卵期の5月~7月が多いです。気温・海水温の高いときには浅場にいて、寒くなると深場に移動します。産卵後は味が落ちますが、秋には回復し、寒くなるとまた味が落ちます。通常は料理屋など業務用としての需要が中心ですが、入荷の多くなる時期にはスーパーなどの小売店でも取り扱われます。関西市場への主な産地は兵庫県(淡路)、長崎県、大分県などがあります。キス類の多くは食用に利用されるほか、釣りの対象としても人気が高いです。産卵期にはエサをよく獲るようになるので美味しくなり、その時期には水面近くに集まってくるので釣り人には楽しい気分が味わえます。

漢字では「鱚」と書きますが、これは漢字に似せて日本で創った国字です。地方名に多い「きすご」が本来の呼び名・表記であるといわれています。一般に「きす」というのは最後の「ご」を省略したもの。語源は「生直(きす)=性質が素直で飾り気のない」に、魚を表す語尾「ご」がついたと考えられます。

味は繊細かつ上品で、昔から江戸前の天ぷらに欠かせない魚といわれ、おもに料理店、高級割烹や寿司店で使われています。江戸前の「きす」といえば以前は「あおぎす」でした。体は「しろぎす」の約2倍と大型で、体色は青味を帯びています。非常に用心深く、舟釣りでは傍に寄ってこないので、浅い海中に脚立を立てて釣る“脚立釣り”という独特の漁法があり、江戸前の風物詩でしたが、近年は水質汚染により東京湾の「あおぎす」は絶滅したといわれています。今では、四国の吉野川河口付近や、大分、鹿児島あたりに生息するのみといわれています。

「丸干きす」などの干物がありますが、これは「きす」に似た魚「にぎす」、「沖ぎす」と呼ばれる魚を加工したもので、「しろぎす」とは異なります。また、似た名前の魚に「ぎす」といわれる魚がいますが「きす」とは全く別物の魚です。

おさかなセールスポイント

  1. ●上品であっさりとした夏場の味覚!
  2. ●天ぷら、フライ、塩焼きにお料理万能なお魚です!
  3. ●脂肪分が少なくとってもヘルシー!
  4. ●骨粗しょう症や肥満が気になる方におすすめ!

出回り時期

市場への入荷は産卵期の5月~7月が多く、冷凍物、鮮魚とも入荷の多い魚。鮮魚は高値で安定しています。漁法は、底曳網(ごち網漁)、刺網漁。主な産地は、兵庫県、長崎県、大分県など。

栄養&機能性

脂肪は少なく、水分が多い白身魚です。脂肪が少ないわりには脂溶性のビタミンDがやや多め。骨を丈夫に保つのに欠かせない栄養素のカルシウムとリンも多めなので、骨粗しょう症が心配な中高年女性にオススメです。低カロリーなので肥満が気になる人にも。

きすの食品標準成分表

おいしい魚介の選び方

体は白いものより、かすかに赤みがかった灰色のものが新鮮。
  • 外見からキレイに輝いていて、透明感があって、赤味を感じるものを。目が黒く澄んでいるもので、体全体がふっくらとしていて触ってかたいものが新鮮です。鮮度が落ちやすいので、腹が透明に透き通り、張りのあるものを選びましょう。「しろぎす」と呼びますが、白っぽいものは時間が経過したものですので避けましょう。開きは身が厚くて、透明に近い色のものを選ぶようにしましょう。

お料理・活用方法

上品な味わいと、皮の風味を活かして、刺身や塩焼き、椀種などに。

骨がやわらかく、身離れが良い、上品な味わいの白身魚で、刺身は絶品です。皮に特有の香りと味わいがあるので、寿司ネタとしてももちろん美味しいですが、生食として、表面に湯をかけ皮霜造りや炙って焼霜造りにして食するのも、淡泊で上品な味わいの身と皮の食感を同時に堪能できます。酢締めにしても美味です。天ぷらは江戸時代以来の基本ネタです。上品な味わいに皮下の風味が活きており、身はふっくらとやわらかく美味しいです。三枚におろして結び、湯に通して、椀種にする「結びきす」は、お祝いの席に嬉しいお吸い物で、クセのない白身ならではの味わいが活かせます。三枚におろして残った中骨を揚げた骨せんべいもカルシウムが摂れて良いでしょう。
鮮魚からの塩焼きや干物など、焼いても独特の風味が楽しめます。南蛮漬けやマリネー、飴煮も美味しいですよ。

通常は料理屋など業務用としての需要が中心ですが、入荷の多くなる時期にはスーパーなどの小売店でも取り扱われるようになるので、ぜひご家庭でもお召し上がりください。

お店・ご家庭のレシピに加えてください! 美味しい食し方をご紹介

① 生食 刺身(皮霜造り、焼霜造り、酢締め)
② 焼物 塩焼き
③ 煮物 煮つけ
④ 干物 丸干し(にぎす、沖ぎす)
⑤ 汁物 すまし汁
⑥ 油料理 天ぷら、フライ
⑦ その他の料理 押しずし(三重)

関連品・加工品紹介

  • 丸干きす

    「丸干きす」は、「にぎす(沖ぎす)」と呼ばれるニギス科に属する魚を原料としています。「にぎす(沖ぎす)」とは、底曳き網船で獲る、比較的深海の魚です。身がやわらかく、鮮度落ちが早いので、ほとんどが産地で消費されるため、鮮魚では出回ることの少ない魚です。「しろぎす」に似ているのでついた名前“似鱚”ですが、「きす」とは別の属性になります。地方名では「めぎす」、「おきいわし」、「おきうるめ」、「とんころいわし」などとも呼ばれています。干物のほか練りものなどの原料として加工されます。

    「丸干魚介類」のページを参照する

よくある質問

Q.「きす」、「ぎす」、「にぎす」など同じ種類のものですか?

A:「きす」といえば、一般的には「しろぎす」を指します。江戸前では、以前は東京湾で獲ることのできた「あおぎす」でした。しかしながら、東京湾の水質汚染により「あおぎす」は全滅したともいわれ、今では吉野川河口付近、大分、鹿児島に生息するのみといわれています。そのほか、日本には「ほしぎす」、「もとぎす」が種子島以南に生息しています。上述4種はスズキ目キス科キス属に属します。
「ぎす」はソトイワシ科、深海魚で蒲鉾の原料などにされています。「にぎす」は、“似鱚”と書き、干物や佃煮、蒲鉾の原料とされています。ほかにも、「とらぎす」と呼ばれる、スズキ目トラギス科に属し、別名「とらはぜ」や「すきはぜ」とも呼ばれハゼ類に似た魚などがいます。




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