お魚は健康食!お魚を毎日食べましょう!

巻き貝

巻き貝

多種多様な巻き貝。実は「あわび」、「とこぶし」も、巻き貝の仲間です。

「あわび」は二枚貝の一方の貝殻がなくなっただけのように見えますが、実は巻き貝の仲間。巻き貝がお椀状に変化した姿です。浅い岩礁域に生息し、古代から食用として珍重されてきました。日本で食される「あわび」は「くろあわび」「えぞあわび」「めがいあわび」「まだかあわび」の4種類で、そのうち生で食べてもっとも美味しいのが「くろあわび」で、高級品とされています。流通の世界では「なまがい(生貝)」とも。贈答品に「熨斗(のし)」を添える習慣がありますが、これは「くろあわび」を薄くヒモ状に切り、干した物を神饌に供えた「のしあわび」に由来します。
関西市場への主な産地は徳島県、長崎県、宮城県などで、冬場は岩手県の「えぞあわび」が主に入荷しています。近縁では、国内の漁が急減し、韓国や中国、オーストラリア、アメリカなどからも輸入されています。韓国産は三陸から種苗を移植した「えぞあわび」。オーストラリア産は身のふちが黒っぽい「ビクトリアアワビ」。
「あわび」は一年中入荷があります。旬は夏で入荷量も増えますが、年末年始の時期にも入荷量が多くなります。近年は需要過多で、常に高価です。

名前の由来は諸説あり、「あわぬみ(不合肉)」の意味で貝殻と身が合わないため。また逆に、「あはすみ(合肉)」の意味で貝殻と身がぴたりと合うため。「いはふ(岩触)」「いははひみ(岩這身)」の転訛で、岩をはっているの意味などの説があります。

「とこぶし」も「あわび」と同じミミガイ科ですが、別の種類です。呼吸孔があわびは4~5個、とこぶしは6~7個。「あわび」より小さく、身はやわらかいです。「とこぶし」の旬は冬から春といわれます。関西市場への主力産地は徳島県や大分県など。徳島、高知は10月~11月が禁漁で、漁は3月~4月に解禁になるため、この時期の入荷がもっとも多くなります。また、おせち料理としての需要が多い年末にも解禁時期になります。特に年末年始には台湾産のものも流通しています。漢字では「床伏」「常節」「常伏」。「床」は浅い場所のこと、「ふし」は小さいという意味。また、常に石など窪みに「伏している(隠れている)」の意味などの説があります。

「さざえ」は壷焼きでも有名な巻き貝のひとつです。国内で収獲される巻き貝の中でも、もっとも量の多いものです。日本海の「さざえ」はあまり大きくならず、成長しても殻長10cmほど。太平洋側のものは非常に大きくなり、殻長20cmを超えるものがあります。大小での味の違いはありません。産卵期は夏場で、「さざえ」の旬は産卵前の春から夏。市場には通年入荷していますが、春から夏はバーベキュー用としての需要が多く、市場への入荷もこの時期が多くなります。関西市場への主な産地は愛媛県などの四国周辺、三重県、九州では長崎県、日本海側では島根県、鳥取県、石川県など。四国周辺や三重県のものは角がなく、主に日本海から入るものには角がありますが、同じ種類とされます。角がないものの方が身がやわらかく、関西市場での評価は高いです。漢字で書くと「栄螺」。「栄(さかえ)」が「さざえ」に近い音なのでつけられたようです。「さざえ」は「ささえ(小家)」のこと。小さな柄のようなもの「ささえ」を多くつけた貝という意味とも。古くは「ささい」「さだえ」と呼ばれていました。

おさかなセールスポイント

  1. ●独特のコリコリとした食感と海の旨味たっぷりの食材!
  2. ●(あわび)女性に嬉しい健康成分がたっぷり!
  3. ●(とこぶし・さざえ)生活習慣病に役立つタウリンがたっぷり!
  4. ●刺身、焼く、蒸す、煮るなど、多彩に味わえます!

出回り時期

「あわび」は天然もの、養殖ものなど通年安定して入荷されています。ピークは夏場で、年末年始も多くなっています。値段は非常に高値で安定。漁法は潜水漁で、主な産地は長崎県や徳島県、宮城県など。輸入ものも多く入ってきています。
「とこぶし」は、活けもしくは冷凍もので入荷してきます。入荷は春場、年末年始が多いようです。流通量は全体に少なめ。採取、潜水漁などで漁獲します。主な産地は徳島県、大分県、和歌山県など。
「さざえ」も年間を通して入荷してきます。入荷は安定しており、値段もやや高値で安定。漁法は、刺し網、潜水漁(海女、海士)、見突き漁(船から竿を使ってとる。「かなぎ(金木)」、「いそみ(磯見)」ともいう)。主な産地は、 愛媛県、三重県、鳥取県、石川県、京都府など。

栄養&機能性

「あわび」は内臓類を食べない貝なので、微量栄養素はほとんど期待できません。8割以上が水分で、魚や肉類にはほとんど含まれない炭水化物を含んでいます。またごく僅かですが、動物類にはほぼ含まれないカロテンも含まれます。ミネラルでは、貧血予防に働く銅、鉄欠乏性貧血を予防する鉄分がやや多め。筋肉の働きを正常にして心臓病を予防するマグネシウムも比較的多いです。ビタミンでは、骨を丈夫にしたり出血を抑える働きのあるビタミンKや、糖質がエネルギーになるときに働くビタミンB1を多く含みます。
「とこぶし」は、タウリンの含有量が魚介類中のトップクラス。タウリンには、血圧や血中コレステロールを低下させたり、心臓の働きを強化したり、肝臓の解毒作用を助ける作用があります。
「さざえ」にはカロテンや、老化予防に役立つビタミンEが多いです。ミネラル類ではカリウムや亜鉛が多く、タウリンも「まぐろ」や「さば」の血合いの2倍近くと、魚介類中のトップクラスです。

まきがいの食品標準成分表

おいしい魚介の選び方

触った時の反応がよいものを選びましょう。
  • 「あわび」や「とこぶし」は、原則的に生きているもので、触ってよく反応するものを選びましょう。殻が深くて、身に傷がなく、ふっくらとしているもの。肉が殻から盛り上がっているものを。

    新鮮な「さざえ」は、殻を軽く振っても音がせず、ふたに触るとサッとふたを閉じます。持って重いものの方が、身が充実しています。鼻を近づけて臭いが気になるものは選ばないようにしましょう。

お料理・活用方法

貝独特のジューシーさや旨味を味わってください。刺身、焼く、蒸す、煮るなど、多彩に味わえます。

「あわび」の旬は夏。 ほどよい磯の香りがあり、食感がしっかりしていて、旨味が非常に強いです。単純に刺身にして美味。また、冷たい昆布出汁に入れて水貝にしても。肝は別に茹でて、そのままでもしょう油に溶かしても、こってりとした味わいで美味。酒やワインで蒸したり、しょう油、みりん、酒などでじっくり煮込んでも美味。丸のまま塩こしょうして、ソテーしても。表面だけソテーして中はレアがオススメ。適度な幅でスライスしバターでソテーしても。

「とこぶし」は、旬は春~初夏。貝殻は薄くてかたいです。身は「あわび」のように熱を通してもかたくならず、生で食べてもやわらかいです。小さいので殻付きのまま煮つけたり、酒蒸しなどに。また、小麦粉をつけてムニエルにしたり、炭火で焼いてしょう油を垂らすのもオススメです。

「さざえ」の旬は春ですが、季節によって味は大きく変わりません。代表的な料理は“つぼ焼き”。直火に近い状態で焼き上げ、貝殻(壺)のまま出します。エスカルゴのようにニンニク風味のバターで焼いても。日本海側などでは殻ごと塩茹でにして、生姜じょう油などで食べます。「姫さざえ(小振りのもの)」をしょう油で煮ても美味。島根県などでは、「さざえ」の身(足)を入れて炊き込む“さざえ飯”が食されます。野菜などと「さざえ」を甘辛く煮て、ご飯に混ぜ込む“さざえの混ぜご飯”も、日本各地にあるようです。

お店・ご家庭のレシピに加えてください! 美味しい食し方をご紹介

① 生食 刺身、寿司ネタ、水貝、酢の物
② 焼物 塩焼き、ソテー、ステーキ、バター焼き、ムニエル、殻焼き、つぼ焼き
③ 煮物 煮つけ、煮あわび、炊き合わせ
④ 蒸物 酒蒸し、ワイン蒸し
⑤ 汁物 すまし汁
⑥ 干物 干しアワビ
⑦ 油料理 天ぷら、フライ、唐揚げ
⑧ その他の料理 さざえ飯、さざえの混ぜご飯、炊込みごはん

ご家庭でも簡単!美味しい「あわび」を下ごしらえしてみよう!

お店で食べるとちょっと値が張る「あわび」ですが、新鮮なものが手に入ったら、ぜひご自身で下ごしらえをして調理してみてください。ここでは簡単に「あわび」の下ごしらえの方法を解説しますので、ぜひお試しください。
①塩をたっぷり振り、たわしでぬめりや汚れを取ります。
②殻の薄い方からナイフを入れて貝柱を切り、身を殻から取り外します。
③身の裏側にある肝を取り除きます。肝は食べられるので捨てないようにしましょう。
④殻の尖ったほうにある口(赤い部分)を切り、塩を洗い流して水気をふきます。

仲間紹介

  • くろあわび

    殻長20cm前後で、幅がやや狭いです。巻き貝の仲間ですが、巻いた部分がなく1枚の貝殻のようになっています。裏側が黒っぽく、周辺のひだが非常に複雑。身はかたく歯ごたえがあります。

  • とこぶし

    殻長7cm前後。実際に開いている呼吸孔は5~7個で、「あわび」のように煙突状になりません。古くは磯で手軽に獲れていましたが、現在では数が減り、高級なものになっています。

  • さざえ

    日本海のものは成長しても殻長10cmほど。太平洋側のものは殻長20cmを超えるものも。外湾で育ったものは角が発達していて、波の静かな内湾に住むものには、角がありません。




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