お魚は健康食!お魚を毎日食べましょう!

鰊

にしん

分 類:ニシン目ニシン科ニシン属
生息域:犬吠埼、日本海(島根県)以北、朝鮮半島釜山、ベーリング海、北米大陸ではアメリカサンチャゴを南限とする

学 名:Clupea pallasii 英 名:Pacific herring

テキストガゾウ

体長は30cm前後になります。外洋性で大規模な回遊をし、動物プランクトンを食べます。北海道西岸からサハリン南西岸にかけて産卵しますが、産卵前の春に脂がのり、旬を迎えます。
北海道では、早いものは二年で成熟、三~四年で産卵成熟します。産卵は厚岸湾など早いときには11月、12月から、北海道西岸では3月下旬~6月下旬から始まります。卵は沈性、粘着性で、かたまり状になって海藻などに付着。これが「子持ち昆布」となります。産卵数は数万粒で、大型のものほど多いです。

国産の「にしん」のほとんどが北海道で獲れています。江戸時代、松前藩では年貢の代わりに「にしん」を納めていました。産卵に押し寄せる春にしんは、多くが加工品にされました。また、食用としてだけでなく、肥料や灯火用の油としても用いられていました。現在は国内産での漁獲量が減り、鮮魚として流通するには充分ですが、スーパーなどに並ぶ干物、加工品のほとんどは、アメリカ、カナダ、ロシア、ノルウェーなど、大西洋からの輸入に頼っています。

古くより、総菜やおせち料理などに用いられてきた「にしん」は、生活に欠かせない魚でした。これを支えてきたのが北海道の春にしんです。豊漁が続いていた北海道の「にしん」ですが、1950年代に激減し、一時は幻の魚とさえいわれたこともあります。「にしん」は、『ソーラン節』、『江差追分』などの歌にも歌われ、庶民に愛されてきた魚であることがわかります。

漢字では「鰊」「鯡」「青魚」「春告魚」「二身」。
「鰊」という漢字は「東の魚」から。「鯡」は、「にしん」を年貢として徴収したことから「魚に非(あらず)」米の代わり、という歴史的な意味があります。「春告魚」は、北海道で春に産卵のため岸に来るものを獲っていたことから。「二身」は、内臓を取り去り二つ割りしていたことに由来します。
北海道では、別名「はなじろ」「はなぐろ」とも呼ばれます。アイヌ語では「へろき」「えろき」。秋田県などでは「かど」「かどいわし」。
卵巣を「かずのこ」としたのは「かど(にしん)」の「子」の意味です。

「にしん」の加工品「身欠きにしん」とは、「にしん」の干物のことです。「にしん」は、生の状態では日持ちせず、冷凍技術が発達していない時代、干物に加工して流通させることが一番合理的な方法でした。また「にしん」の保存目的のものに塩漬けにした「塩にしん」もあります。ヨーロッパでの生産量が多く、スコットランドやオランダ、ロシア産のものが有名です。国産のものでは、漁獲量が少ないため「塩にしん」はわずかしかつくられていません。

「にしん」の魚卵「かずのこ」は、おせち料理には欠かせませんよね。ですが、「にしん」の激減により、特に国産「かずのこ」は希少なものとなり、「黄色いダイヤ」とも呼ばれるようになりました。

おさかなセールスポイント

  1. ●焼き物、煮物などお料理万能なお魚です!
  2. ●身離れが良いので、お子様にも食べやすい!
  3. ●カルシウム・DHA・EPAが豊富ですから、お子様のお食事にぜひ!
  4. ●(干物)おせち料理に欠かせないお魚ですね!
  5. ●(干物)栄養豊富な身欠きにしんは調理も簡単!

出回り時期

かつては北海道に春を告げる魚として、“にしん御殿”が次々と建てられるほど豊漁を記録していました。現在、干物や「身欠きにしん」、「かずのこ」の原料は、ほとんどが外国産です。大西洋にいる「たいせいようにしん」など、アメリカ、カナダ、ロシア、中国などからの輸入品です。礼文、広尾、三陸などから入荷される国産のものは、漁獲量も決して少なくはありませんが、高級品となってしまいました。国内の主な産地は、北海道からがもっとも多くなっています。鮮魚の輸入ものでは、ノルウェー、ロシアからも入荷されています。

栄養&機能性

DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸をたくさん含んでいます。DHAは目や脳の機能を活性化するといわれます。EPAは動脈硬化の予防や、心臓病や脳血管疾患の発症を遅らせたり防ぐのに役立つとされます。さらに、ビタミンAやビタミンE、ビタミンDなどの脂溶性成分も豊富。ビタミンAとビタミンEは、細胞の酸化を予防して、がんや老化を抑制するといわれます。ビタミンDは骨を強くするビタミンです。
「身欠きにしん」は水分が少ない分、生のものより、たんぱく質、脂質、カルシウム、ビタミンB2、Eなどが多いのが特徴です。保存食でもあることから、昔は貴重な栄養食品だったに違いありません。干物の割には塩分が多くないので、血圧が心配な人にもオススメです。

にしんの食品標準成分表

おいしい魚介の選び方

目が澄んで身が銀色に輝いているものを選びましょう。

3月~6月にかけて、産卵のために北海道にやって来る「にしん」が、味、栄養とも最高といわれていますが、一般にスーパーなどに出まわるものは、輸入品が中心なので今では一概に春が旬とはいえません。
鮮魚は、肌が銀色に輝き、腹が切れておらず、エラに血がにじんでいないもの。目が赤くなっておらず、身に張りがあるものは、活きが良いものです。冷凍品は身くずれのないものを。「身欠きにしん」は油焼けしていないものを選びましょう。
「かずのこ」は、持ってみて塩でしっかり身が締まっているもの。薄皮に張りがあって、透明感があり血管の黒い筋がないものを選びましょう。漂白によって色が明るすぎたり、持ったときにバラバラと崩れてしまうものは質が良くありません。国産品は輸入物よりも小粒で、濃い黄色をしています。

お料理・活用方法

「身欠きにしん」や「数の子」など、伝統料理に欠かせない存在です。

鮮魚では塩焼き、また幽庵焼きや三枚におろして醤油ダレに漬け込んだ焼物や、ワインビネガーなどでのマリネや酢締めにして。産地では、刺身でも盛んに食べられています。

北海道では、三枚におろした「にしん」をしょう油やみりん、酒などに一晩漬けて焼いた“にしんの鎌倉焼き”。酢締めにした「にしん」をアサツキなどとあわせ、ぬたにして酢味噌で食べる地域もあります。

 

干物として、丸干しや「身欠きにしん」などで多く出回ります。「身欠きにしん」は米のとぎ汁で半日~数日かけて戻し、しょう油などでじっくりと煮るなど。ほかにも味噌煮や麹漬け、山椒漬けなど、地方の伝統料理にも多く用いられています。天ぷらや田楽などにも。また、関西でよく食べられる、「身欠きにしん」を「こんぶ」に巻いて煮た昆布巻きは、京都が発祥とされ、「身欠きにしん」の“棒煮”をそばにのせた“にしんそば”などもよく知られています。「身欠きにしん」は、かつて保存食として完全に乾燥させたものが主流でしたが、最近では、安価で手軽に戻すことができるソフトタイプのものも増えています。ご自宅で保存する場合は、新聞紙で包んで冷蔵庫へ、長期間の場合は冷凍保存します。

 

「にしん」の魚卵は、「かずのこ」、「子持ち昆布」などの加工食品としてもよく用いられます。

 

お店・ご家庭のレシピに加えてください! 美味しい食し方をご紹介

① 生食 刺身、寿司ネタ(酢締め)、マリネ
② 焼物 塩焼き、しょうが焼き、幽庵焼き、鎌倉焼き
③ 煮物 味噌煮
④ その他の料理 昆布巻き、にしんそば、にしんなす(京都)、にしん漬け、三平汁(北海道)
⑤ 加工品 子持ち昆布、子持ちわかめ、数の子、生干し(ソフトタイプ)、身欠きにしん

ご家庭でも簡単!栄養満点「身欠きにしん」を使ってみよう!

「身欠きにしん」は独特の滋味があり、しっとりした身の食感と、脂ののった旨味が、あとをひく美味しさです。栄養価も非常に高い食材ですので、ぜひご家庭でもお料理にご活用ください。
①ソフトタイプのもの
そのまま調理に使用できますが、かたいものは洗ってとぎ汁又は小麦粉の溶き汁に30分位浸してよく水洗いをして料理にお使いください。生干しの料理法はそのまま洗って焼いて生姜しょう油で食べたり、軽く戻してから煮物に、焼物に、簡単燻製や揚げ物にも。

②本干しのもの
たっぷりの米のとぎ汁に2~3日浸します。ウロコや汚れを水洗いし、たっぷりの番茶(お湯1Lに番茶大さじ1が目安)で茹でます。水洗いして調理に使用します。乾物は戻して昆布巻き、旨煮、炊き合わせに使い、さらに戻したものをにしん漬け、糠漬けに。郷土料理では、福島県のにしん漬け(山椒を使って)が有名です。旨煮を使ったお料理でよく知られているものは、“にしんそば”、“芋棒”、“にしんの昆布巻き”などがあります。

 

関連品・加工品紹介

  • 身欠きにしん

    「身欠きにしん」とは、「にしん」の干物のことです。「にしん」は、生の状態では日持ちせず、冷凍技術が発達していない時代、干物に加工して流通させることが一番合理的な方法でした。京都などの「身欠きにしん」の棒煮をそばにのせた“にしんそば”が有名ですが、日本各地でも煮物やにしん漬けが伝統料理として残っています。

    「身欠きにしん」のページを参照する

  • 塩にしん

    ヨーロッパでの生産量が多く、スコットランドやオランダ、ロシア産のものが有名です。国産のものでは、漁獲量が少ないため「塩にしん」はわずかかしかつくられていません。製法により、「一塩にしん」、「固塩にしん」などと呼ばれているものがあります。

    「塩にしん」のページを参照する

  • かずのこ

    「かずのこ」とは、「にしん」の魚卵のことです。メスの腹から取り出した卵の塊を天日干し、または塩漬けしたものが食用とされます。昔から、「かずのこ」の粒の多さが子孫繁栄を連想させることから、縁起物としておせち料理や結納などで用いられています。「にしん」が昆布に卵をうみつけたものが珍味として知られる「子持ち昆布」です。

    「かずのこ」のページを参照する

よくある質問

Q.数の子と子持ち昆布、どちらも「にしん」の卵ですか?

A:はい。「かずのこ」は、「にしん」の卵巣を塩漬けにしたものです。生の「かずのこ」をよく乾燥させて、塩蔵してつくります。生の「かずのこ」をそのまま干す「干しかずのこ」は、現在ではほとんどつくられていませんが、江戸時代から食べられていたものは本来、乾物の「かずのこ」です。近年、タレやしょう油漬けにして加工された味付け数の子が人気です。塩抜きや味付けの手間をはぶき、すぐに食べることができるように加工されているので大変便利です。
「子持ち昆布」は、「にしん」が「こんぶ」に卵を産み付けたもので、近年は人工的に「こんぶ」に付着させたものもあります。「にしん」が「わかめ」に卵を産みつけた「子持ちわかめ」もあるようです。




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