お魚は健康食!お魚を毎日食べましょう!

秋刀魚

さんま

分 類:ダツ目トビウオ(ダツ)亜目サンマ科サンマ属 生息域:日本各地、アメリカ西岸にいたる北太平洋

学 名:Cololabis saira 英 名:Pacific saury

秋の味覚の代名詞。鮮度の良い「さんま」が多く出回り生食も一般的に。

「さんま」は年間30万トンも漁獲され、安くて美味しく、栄養もたっぷりの国民的な魚。そして何といっても秋を代表する味覚です。「さんま」は100%天然もので国産という非常に貴重な魚です。「さんま」は光に集まる習性があるため、この性質を利用しての漁が盛んで、戦後、棒受け網漁の普及により漁獲量が急増しました。
梅雨明けまもなく、北海道での漁を皮切りに、南下する「さんま」とともに漁場も下がってきます。旬は夏から秋。漁場も房総沖まで下がってきたときが最盛期といわれ、その頃が脂ののりもピークになりもっとも美味しい時期です。初夏~秋に太平洋を北上するものと、冬~春に日本海側を南下するものがあります。例年7月中旬には、さんま漁も解禁となり市場で初セリがおこなわれます。初セリのご祝儀相場では1尾に高値もつくことがありますが、初秋の盛漁期には一気にお手頃価格になります。入荷時期でここまで価格差が大きくなるものは市場に入荷する魚の中でも珍しい存在です。「さんま」は季節感がとても強く、多くの方が新物の出回りを待ち望んでいるからこそ。それだけ庶民の生活に密着した魚といえます。

今や、鮮魚、解凍もの、加工品と一年を通して「さんま」をスーパーなどで見かけない日はありません。古くは「塩蔵さんま」か「干物」として食卓に登っていました。生食されるようになったのは、1900年代の後半以降です。漁船設備や流通、運搬技術などの充実によって、産地から遠く離れたところでも、新鮮で美味しい「さんま」を食せるようになりました。また、冷急速凍などの技術進歩により、旬の美味しい時期に獲ったものを、一年中美味しく味わうこともできるようになりました

「さんま」は刺身に限らず、大きいものが美味しいとされます。刺身が苦手な方でも、鮮度の良いものが手に入れば、ぜひ酢締めにするのもオススメです。三枚におろした身に塩をして水分を抜き、酢に漬ければできあがりです。まだ脂ののっていない時期の「さんま」は酢ののりが良く、爽やかな風味を味わえます。

最近ではご家庭の台所では難しくなりましたが、脂ののった「さんま」といえば、炭火で炙った塩焼きが何よりではないでしょうか。煙をもくもくと上げて燻されながら焼き上がる「さんま」は、まさに秋の風物詩といえます。「さんま」は胃がなく腸が短いのが特徴。そのため消化が非常に早く、排せつ物がたまらず内臓が傷みにくいので、わたまで美味しく食べられます

南下を開始した頃、北の海で獲れる「さんま」は20〜25%もの脂肪分を蓄えていますが、南下とともに徐々に減少し、紀州沖で獲れる頃には脂肪分は5%程度にまでなります。和歌山県の郷土料理に「さんまの棒ずし」は、こうした脂肪分の少ない「さんま」を美味しく、保存できるように調理したものです。

漢字では「秋刀魚」「三馬」。昔は秋に獲れた魚で、体が刃状であることから。また、馬がつくことから築地などで符丁的に「午(うま)」の字を使います。由来は、「狭真魚(さまな)」の音から。「狭真魚」は体の幅が狭いという意味です。

おさかなセールスポイント

  1. ●刺身、塩焼き、煮物などお料理万能なお魚です!
  2. ●秋の味覚といえば「さんまの塩焼き」!
  3. ●お酒のアテに!ご飯のおかずにぴったりです!
  4. ●成長期のお子様に嬉しい、ビタミンD、DHA・EPAがたっぷり!

出回り時期

初夏の解禁日には1kg3,500~6,000円、一尾あたり600~1,200円前後の値を付けます。盛夏、大型棒受け網漁が解禁されると、値段が大きく下がり、秋も深まると一尾100円を大きく割ります。一般的に鮮魚としては、秋が出回り最盛期となります。主な産地は、漁獲量の多い順に北海道、宮城県、岩手県、千葉県などがあります。

さんまの出回り時期

※この表は大阪市中央卸売市場本場での(平成27年)月別品名別産地別取扱高表をもとに作成しています。各都道府県全体の出荷量ではありません。魚介類の場合、野菜等のように出回り時期が安定していないことが多いのでご注意ください。地域や地方によっては、これと異なる場合があります。また、豊漁、不漁による影響もありますのであらかじめご理解ください。取扱量に応じて色分けしています。一年でもっとも取扱量の多かった月を基準(赤色)として毎月の取扱量を比較し、各月の取扱量をその割合に応じて濃淡で示しています。産地の表記は取扱量の多い上位3県を表記しています。参考:大阪市中央卸売市場(平成27年1月~12月 本場:月別品名別産地別取扱高表)

栄養&機能性

たんぱく質より脂肪のほうが多いという珍しい魚。脂肪は季節による変動が大きく、旬の8~9月には20%を超えますが、11~12月には数%にまで減るといわれます。典型的な青背魚であり、DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸を豊富に含みます。DHAは血液中のコレステロールや中性脂肪を減らして高脂血症を改善したり、脳細胞の働きを活発にして痴呆症を予防する働きも期待されています。EPAは血液を固まりにくくして、脳卒中や心臓病を予防するといわれます。ビタミンDも豊富で、カルシウムの吸収率を高めて骨を丈夫にしてくれます。
内臓には特有の苦みがあり、苦手な人もいますが、ビタミンAやカルシウム、マグネシウムなど微量栄養素が豊富に含まれているので、ぜひ食べたいものです。
昔から『サンマが出るとアンマが引っ込む』ということわざがありますが、「さんま」はそれほど滋養がある魚という意味があります。

さんまの食品標準成分表

おいしい魚介の選び方

光っていてピンと立つものが新鮮。口先がオレンジのものは脂がのっています。

背は青黒く、腹は銀色。鮮度が良ければこの色が鮮明で、表面が光っています。鮮度が落ちると輝きがなくなり、白っぽく濁ってきます。エラが鮮紅色で身体がふっくらして張りのあるもの、ヒレがしっかり張っているものを選びましょう。手に持った時にピンと立つものも新鮮な証拠です。

脂ののりが良いものは、尾の付け根が黄色で口先がオレンジ色。また、頭の後ろが盛り上がっており、肩が張っているもの。触ってぬめっとしているものです。

お料理・活用方法

塩焼きはもちろん、刺身から炊き込みごはんまで幅広く。

ウロコは小さくて薄く取りやすく、巻き網で獲るときに剥がれてしまいウロコがないものも。皮は透明で薄くて強く、骨はやわらかく小骨がありません。赤みを帯びた白身で、脂が層をつくり、また身に混在しています。熱を通してもかたく締まりません。

太平洋での漁が始まる7月のものは、脂は少ないですがあっさりとした味わい。この新ものは、脂の甘さと青魚の旨味がある刺身で食べるのがオススメです。酢締めにしたものも美味です。8~9月のもっとも脂ののった時期には、とろけるような旨味が存分に味わえます。

塩焼きの美味しさは魚類中トップクラス。旨味があり脂が甘く、たまらない美味しさ。家庭で塩焼きをつくるときには、肛門から斜め二つに切り、塩をして30分以上おきます。生焼けにならないよう注意してこんがりと焼けば完成。

煮つけはご飯との相性が抜群にいい料理法です。蒲焼きは三枚におろして、小麦粉をまぶして油で焼きます。一度取り出して余分な油を捨て、みりん・酒・しょう油・砂糖を加えて煮立たせます。液に粘りが出てきたら、「さんま」を戻し、からめます。このタレを、焼いた「さんま」にかけても。ほかには、脂の少ないものは天ぷらや唐揚げに。

「さんま」の炊き込みご飯も美味しいです。内臓と細かいウロコを取り、しょう油に漬け込んでから、ご飯と炊きあわせます。味付けは少量の塩と酒のみ。脂が強いものを使うと濃厚な味になります。

紀伊半島では“さんまのなれずし”が少ないながらつくられています。「さんま」と野菜(ダイコン、ニンジン)などを麹で漬け込む“さんまの飯ずし”は、北海道、青森県などの郷土料理です。“姿寿司”、“棒ずし”は、紀伊半島、四国などでつくられています。

お店・ご家庭のレシピに加えてください! 美味しい食し方をご紹介

① 生食 刺身、寿司ネタ、マリネ、酢締め
② 焼物 塩焼き、蒲焼き、香草焼き
③ 煮物 煮つけ
④ 油料理 天ぷら、唐揚げ
⑤ 干物 丸干し、開干し、みりん干し、桜干し
⑥ その他の料理 炊き込みご飯、なれずし(紀伊半島)、飯ずし(北海道、青森)、姿寿司・棒寿司(紀伊半島、四国など)、ぬか漬け

ご家庭でも簡単!美味しい「さんまの塩焼き」!

新鮮で脂ののった「さんま」が手に入ったら、塩焼きにして召し上がってみてください。刺身でも美味しいですが、「さんま」の全てを味わうには、腹ワタも食せる塩焼きがやはりオススメです。
①まずは下処理。包丁の刃先で軽くウロコを取り水洗いしたら、水分を拭き取り裏表に塩を振り30分ほど放置します。
②表になる側(頭が左で腹が手前)に×印に切れ目を入れておくと見た目に美しく、火の通りも早くなります。腹ワタの処理はしません。余分な水分が抜けた「さんま」は表面にハリが出てきます。
③ガスコンロで網を使って「さんま」を焼いていきます。この時、焼き網と火が離れるように高さをつけます。例えば、ガスコンロの場合、“五徳”を二つ重ねにするなどしても良いでしょう。焼き網はよく熱することで、魚の皮がつきにくくなります。さらに、網に酢か油を塗ればこびりつきも抑えられて、網のお手入れも簡単になります。
④まずは、皿に盛る反対側を中火で5分ほど焼きます。焼き目が入ったらひっくり返して中火で6〜7分ほど焼きます。黒目が白くなったら焼き上がりです。
⑤お皿に盛り付けて、お好みで、大根おろしや酢橘などを添えればできあがりです。
「さんま」を美味しく焼くには「強火の遠火」がイチバン。強い火で一気に焼くことで、たんぱく質をすばやくかため、旨味を逃さない、「さんま」を美味しく食べる昔からの知恵ですね。

関連品・加工品紹介

  • 丸干さんま

    「丸干さんま」は包丁を入れず、丸ままの姿で干物にしたものです。産地ではそれぞれに工夫を凝らした風味があり、漁の時間や干物にする際の“塩”、干し方など特徴のあるものが多く、ワタも含めた丸ままの「さんま」を味わうことができます。

    「丸干魚介類」のページを参照する

  • 開干さんま

    「開干さんま」は、さまざまな産地でつくられています。「さんま」は初夏の北海道から漁が始まり、しだいに南下して銚子沖を経て紀州沖でも水揚げされます。「さんま」はたんぱく質よりも脂分の方が多くなる珍しい魚で、水揚げされる時期により「さんま」の脂のりは変化し、味わいも異なります。

    「開干魚介類」のページを参照する

  • さんまみりん干し・桜干さんま

    「さんまみりん干」は、「さんま」の旨味が凝縮された開干しならではの良さに、長年培われた産地独自のしょう油や砂糖、みりんなどの調味ダレの風味があわさった加工品です。
    「桜干さんま」とは、しょう油と砂糖などの調味ダレに漬け込んで味付けし、乾燥させたものです。

    「開干魚介類」のページを参照する

  • 塩さんま

    「塩さんま」は、水揚げ後、塩を塗して急速冷凍されるので、鮮度低下は生のものよりもはるかに抑えられます。「塩さんま」には比較的脂ののった大型のものが多く、塩焼きなどがお好きな方には、塩が身全体にじんわりやわらかく染み込んだ「塩さんま」をオススメします。

    「塩蔵魚介類」のページを参照する

よくある質問

Q.テキストガゾウ

A:落語の噺のひとつです。三代将軍徳川家光が、鷹狩りの折に現東京・目黒の茶店に立ち寄り、食事を所望しました。この茶店の店主は、気さくに夕食用の「さんま」を焼いて差し出しました。この庶民の味をたいそう気に入った家光は、以後「さんま」を所望するのですが、家臣は脂を抜いたり骨を抜いたり椀に入れたりと、将軍のために要らぬ世話をしてしまいます。そのため、すっかりまずくなってしまった「さんま」に、家光は『サンマは目黒に限る』といった、というお話です。




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