お魚は健康食!お魚を毎日食べましょう!

鱵

さより

分 類:ダツ目トビウオ亜目サヨリ科サヨリ属 生息域:琉球列島・小笠原を除く北海道南部から九州、朝鮮半島、黄海

学 名:Hyporhamphus sajori 英 名:Half beak

寿司ネタや天ぷら種として、デパートや割烹店で見られる高級魚。

「さより」は字を「細魚」、「針魚」とも書くように体形が細長い魚で、体長は40cm前後、尻ビレ、背ビレが後方にあります。下あごが細く針状に突出しているのが特徴。体表面の色調は背の青緑色と腹の銀色のコントラストがキレイな魚ですが、内臓部分は腹の内側が真っ黒い色をしていて、この色の変化で鮮度が分かります。内臓が長く鮮度が落ちやすいので、内臓は買ったらすぐに取り出しておきましょう。産卵期は春から、北に行くほど遅く夏まで。旬は春3月から5月頃で、春告魚の仲間です。びっくりすると「とびうお」のように水面を飛び出して逃げ、姿をくらますという技を持っています。ホンダワラ類に産み付けられ、流れ藻となって海流に流され漂流します。海面にいる小型の甲殻類、アジモ、昆虫などをエサとしています。寿命は2年ほど。

沿岸にいる魚で、上品な味わいが古くから親しまれてきました。刺し網などで漁獲されますが、量的には少なく、高級魚のひとつです。「かんぬき」と言われる大型魚は、超高級魚ともいえます。主に割烹料理の寿司ネタや天ぷら種などになり、鮮魚で見かける機会は多くありません。スーパーなどよりも魚屋、魚屋などよりもデパートなどで見られる魚です。入荷形態も、「まあじ」や「さば」と違って、少量を小さな発泡箱に丁寧に並べられています。味は白身で、脂肪がほとんどなくさっぱりしていて、カロリーが低く、緻密な肉質で美味しい魚です。

外見は美しいけれど、腹の中が黒い(腹腔膜が黒い) ところから「腹黒い人」という意味合いで使われる「サヨリのような人」という表現もあります。

漢字では「鱵」、「針魚」、「細魚」。「沢寄り」=「多く集まること」。「さ」=「狭長なる」の意味。「より」=古名「よりと」の「と」を略したもの。意味は「群を作り、身体が細長いこと」。
市場や釣りの世界では、小さなものを「えんぴつ(鉛筆)」、大型のものを「かんぬき(閂)」と呼びます。
また地方の呼び名として、石川県の能登では「さより」を「スズ」と呼び、金沢では「花見魚」という愛称で親しまれています。

おさかなセールスポイント

  1. ●春告魚「さより」で春の味覚を満喫!
  2. ●塩焼きや揚げ物、和風、洋風などお料理万能なお魚です!
  3. ●脂肪分が少なくとってもヘルシー!
  4. ●魚が苦手でも、この魚は食べやすい!

出回り時期

秋口から春にかけて入荷が増えますが、旬は3月〜5月頃。比較的安定して高値となります。大きいものは超高級魚です。漁法は、サヨリ二艘曳網(スズ曳き)、巻き網、刺し網。主な産地は、愛知県、兵庫県をはじめ、三重県、岡山県など。

栄養&機能性

魚の中ではたんぱく質が少ない方で、低カロリー。脂肪もたいへん少ない魚です。全体的に栄養価は低めですが、亜鉛とナイアシンがやや多いです。亜鉛は不足すると味覚や嗅覚が低下します。ナイアシンはビタミンB群のひとつで、飲酒時の赤面や頭痛の原因となるアセトアルデヒドの分解を助けます。お酒のつまみにも良いでしょう。

さよりの食品標準成分表

おいしい魚介の選び方

下あごが鮮やかな赤色で、腹部が銀白色のものが新鮮です。
  • 鮮度の良いものは下あごの前部が鮮やかな赤色です。腹部が銀白色のものを選びましょう。腹腔膜が傷みやすく茶色く見えるので、買う時は腹の中心線から排泄口辺りまで茶色くなっていないもの、排泄口が閉まっているものを選びましょう。また、触ってかたいもの、ぬめっとしているものは脂がのっています。

お料理・活用方法

クセのない上品な味わいで、刺身や天ぷらなどに。干物にしても美味。

出回り時期は秋口から春で、春告魚と呼ばれるだけあって、旬は春。この時期の漁も盛んです。白身で、皮が銀白色。鮮度が良ければ、皮をはいでも銀色が残ります。まったくクセのない味わいながら、春には旨味も脂ものります。鮮度が落ちやすいため、手に入れたらすぐ内臓を取り去ること。ウロコは小さくて取りやすく、皮は手でもはがせます。三枚におろすと腹腔膜は黒く、触ると墨が手に付くことも。腹ビレが離れていますが、おろす時にこれを除去するのがコツ。血合い骨は細くやわらかいですが、丁寧にするなら毛抜きで抜く方が良いでしょう。骨などから良い出汁が出ますが、やや淡泊です。

青みを帯びた銀色の外見にふさわしく、淡白で上品な甘味としっかりした歯ごたえがあり、その身の美しさや独特のすがすがしい香りから刺身や寿司ネタとしても人気が高い魚です。酢締めにしても。軽く茹でて椀種にすると、ほど良い旨味と脂があり、淡泊で口の中でほろっととろけるよう。天ぷらは、料理店などでも多用されます。細く小振りなものは、軽く水洗いし振り塩をして焼くと、淡泊で肉がよく締まって美味。刺身にした残りの皮を焼いても。専門店で天ぷら種にすることも多く、上品な白身でやわらかく、皮の風味がとても良いので、味わい深い一品です。フライにしてももちろん美味。

香川県観音寺市では、糸造りにした「さより」を炊きたてのご飯にのせて、もみ海苔を散らして山椒葉の風味のしょう油を垂らし、お茶をかける“さより茶づけ”が食べられています。能登では、白焼きにした「さより」や「もずく」を入れる“モゾコ汁”というすまし汁があります。 また輪島の朝市では、「さより」の干物がよく売られています。全国でも、丸干しや開干しなどの加工品もつくられています。

 

お店・ご家庭のレシピに加えてください! 美味しい食し方をご紹介

① 生食 刺身、酢締め、昆布締め
② 焼物 塩焼き(皮、身)
③ 干物 丸干し、開干し、一夜干し
④ 蒸物 酒蒸し
⑤ 汁物 すまし汁、モゾコ汁(石川)
⑥ 油料理 天ぷら、フライ
⑦ その他の料理 さより茶づけ(香川)

ご家庭でも簡単! 「さより」の干物をつくってみませんか

「さより」は春に旬を迎えますが、秋時期の小さめな「さより」は“えんぴつ”と呼ばれる15〜20cm程のサイズ。「さより」はとても上品な魚で、旬の時期は高級な魚ですが、この時期は比較的安価に手に入るので、干物づくりにもぜひ挑戦してください。
①「さより」は腹だけを出して、開かずに丸ごと干します。そうすることで、骨ごと食べられるようになります。
②海水よりも少し塩辛いくらいの塩水をつくります。そこに下ごしらえをしたものを漬け込めば、まんべんなく塩が回って簡単に塩漬けできます。漬け時間は40分〜お好みで調整してください。40分くらいですと甘塩になります。

  • ③エラぶたを指で広げ、竹串を通して、連続で「さより」を刺していきます。
    ④通した竹串の両端にタコ糸などを結びつけ竿などに吊します。虫などがよらないように網などで覆うと良いでしょう。
    ⑤最初は陽に当て、しばらくして直射日光の当たらない、風通しの良い日陰で干します。気温や湿度によって干し時間が異なりますので、お好みで干し時間を調節してください。

よくある質問

Q.「さより」のお腹の中はなぜ黒いのですか?

A:「さより」はお腹を開くと黒色をしています。内臓を収めている腹腔の壁面を覆う薄い膜が黒いのです。色彩に乏しい魚の腹膜は黒い一方、色彩豊かな魚の腹膜は透き通っていることがわかっています。このことから、体壁を通過する紫外線から臓器を守るために役立っていると考えられています。「さより」の腹膜が黒いのは新鮮な証拠。鮮度が落ちると、茶色くなってきます。




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