お魚は健康食!お魚を毎日食べましょう!

鰻

鰻

分 類:ウナギ目ウナギ科ウナギ属 生息域:北海道以南の日本各地、朝鮮半島、中国、台湾に分布

学 名:Anguilla japonica 英 名:Japanese eel

土用の丑の日に欠かせない蒲焼き。非常に希少となった天然うなぎの旬は、実は秋から冬。

「うなぎ」は、日本古来から食されてきましたが、現在では出回るものの99%以上は養殖ものといわれ、大阪の市場への国産「天然うなぎ」の入荷は、熊本県、静岡県、滋賀県をはじめそのほか各地から僅かに流通しているのみです。養殖ものは愛知県、鹿児島県、宮崎県などが主な産地となっています。養殖は明治期からはじまりましたが、戦後に大きく発展。養殖が確立して以来、急速に食用魚としての重要度を高めてきました。養殖ものの場合は、味は通年大きくは変わりません。近年では台湾、中国や韓国などからも生きたまま輸入されるものも増えてきました。ですが、現在は「うなぎ」の収穫が激減し、また養殖うなぎ用に用いられる「しらす」も激減。「しらす」を活用した「養殖うなぎ」も非常に貴重なものとなっています。水産庁は2020年を目標に、人工孵化から養殖をおこなう完全養殖の商業化を目指しています。

旬は天然ものの場合は水温が下がる秋から冬とされています。土用の丑の日に「うなぎ」を食べる習慣は江戸時代からのものですが、需要は夏場が圧倒的に多く、俳句の世界でも「うなぎ」は夏の季語となっています。日本では重要な食用魚のひとつで、その漁法も各地で伝統的なものがあり、“うなぎ掻き”、“うなぎ塚”、“うなぎ筒”などがあります。
「うなぎ」は高たんぱくで消化も良く、日本料理の食材としても重要で、うなぎ屋と呼ばれるうなぎ料理専門店も多いです。生食はできないため、食べ方は非常に限られています。開いて素焼きにしたものが白焼きで、それに甘辛いタレをつけたものが蒲焼きとなります。関西では腹開きにして、頭をつけたまま焼いてタレをつけます。関東では背開きにし、頭を落として二等分し、白焼きにしたものをいったん蒸してからタレをつけてもう一度焼きます。串に刺して蒸したり蒲焼きにした状態で輸入されるものも大量にあります。

各地でのブランド「養殖うなぎ」
●「浜名湖うなぎ」…静岡県。ハウス養殖の「うなぎ」とは違い、自然に近い養殖池にこだわり、より天然に近い環境で育成。
●「うなぎ板東太郎」…千葉県。「板東太郎」とは利根川のこと。その利根川産「天然うなぎ」に近づけるためこの名前がつけられたそうです。
●「共水うなぎ」…静岡県。大井川の伏流水を使用し、天然に近い四季をつくり出した環境下で育成。
●「一色産うなぎ」…愛知県。矢作川の清流水を活用し、養鰻100年のノウハウと生産者の情熱が育てる「養殖うなぎ」。
●「倉敷うなぎ」…岡山県。養殖業の最大の弱点である病気の発生に配慮した「閉鎖循環方式陸上養殖」で育成。

おさかなセールスポイント

  1. ●夏バテ予防に鰻でスタミナ補給!
  2. ●うな丼はスタミナ回復に効果あり!
  3. ●身も肝も、ビタミンが非常に豊富!

出回り時期

一般的には、ほとんどが養殖されたものが流通。輸入ものでは中国からのものが多いです。天然ものの主な産地は熊本県、静岡県、滋賀県など僅か。養殖地は、愛知県、鹿児島県、宮崎県などです。

うなぎの出回り時期

※この表は大阪市中央卸売市場本場での(平成27年)月別品名別産地別取扱高表をもとに作成しています。各都道府県全体の出荷量ではありません。魚介類の場合、野菜等のように出回り時期が安定していないことが多いのでご注意ください。地域や地方によっては、これと異なる場合があります。また、豊漁、不漁による影響もありますのであらかじめご理解ください。取扱量に応じて色分けしています。一年でもっとも取扱量の多かった月を基準(赤色)として毎月の取扱量を比較し、各月の取扱量をその割合に応じて濃淡で示しています。産地の表記は取扱量の多い上位3県を表記しています。参考:大阪市中央卸売市場(平成27年1月~12月 本場:月別品名別産地別取扱高表)

栄養&機能性

ビタミンAが豊富で、一串(約120g)で成人の必要量の3日分にも相当するほどです。皮膚や目の粘膜を健康に保ち、消化器系のがんを予防し、免疫力を高める働きが期待できます。また、ご飯を効率よくエネルギーに変えてくれるビタミンB1も豊富なので、うな丼はスタミナ回復に効果的といえます。脂肪が多いので、ビタミンD、ビタミンEなどの脂溶性ビタミンも多いです。
「うなぎ」の肝は、その身以上にビタミンAが豊富で、一口(15g)も食べれば必要量を上回ります。魚の身には含まれることの少ない鉄分や、葉酸も豊富に含んでいます。

うなぎの食品標準成分表

おいしい魚介の選び方

活けのものは太く脂ののっているものを。蒲焼きは、全体的に幅広で皮の端まで伸びているものを。

原則的に生きているものを。水槽で泳がせているものでは、尾に傷のないものが新しいといえます。「うなぎ」は脂が多いので傷みやすく、皮がたるんでいるようなものや、表面に傷が付いていているものは傷んでいることが多いので、店頭などで選ぶ際は避けましょう。
国産「天然うなぎ」は、背中の部分がグレーの部分と腹の白い部分がはっきりと分かれているものが美味しい「うなぎ」といわれています。腹の色に黄色みがあれば天然もので、養殖ものは腹の色が白っぽいです。全体的に身が締まり、表面にツヤのあるものが良いとされています。できるだけ大きくて太くて脂ののっているものを選びましょう。
蒲焼きにされたものの見分け方としては、全体的に身が締まり盛り上がったように見えるもの、焼き面がつるっとして薄い皮が下向きにくるりと巻いているものは、あまりしっかりと焼けていないので生臭く感じ、身がかたいものが多いかもしれません。全体的に身が開き幅広な感じで、表面にざらつきがあり、皮の端まで伸びているものは、中までしっかりと火が通ってふっくらとしています。

お料理・活用方法

蒲焼きを使った多彩な料理が各地に。肝は栄養豊富で滋養強壮に良い。

「うなぎ」の旬は、養殖ものと天然もので違います。「天然うなぎ」は秋から冬の、特に産卵で海に降りたものや、海辺にたどり着いたもの。養殖ものは、冬に養殖池に入れたもので成長の早い「飛び(とび)」と呼ばれるものが、早いものでは半年ほどで出荷できるまでに育ちます。この出荷時期である初夏が旬となります。

頭部よりも尾に近い方が美味です。基本は蒲焼き。これを出汁巻き玉子に巻き込んだのが“う巻き”。しょう油、みりん、酒、砂糖、水でつくったタレで煮て、卵でとじたものが「柳川鍋」。野菜はゴボウのささがきや三つ葉などを入れます。また、雑炊に蒲焼きを加えて卵をかけまわした“う雑炊”や、親子丼の要領で蒲焼きを使った“うなとじ丼”、お茶漬けにした“うなぎ茶漬け”なども各地で食されています。キュウリもみと和えた“うざく”は、大阪発祥ともいわれています。

名古屋の有名な郷土料理として“ひつまぶし”があります。ご飯の上に海苔を敷き、刻んだ蒲焼きをのせたもの。まずはそのまま食べて、次に茶をかけて食べる(茶漬けにする)のが流儀。ほかに、滋賀県では「うなぎ」を開いてそぎ切りにし、すき焼き地で煮た“じゅんじゅん”という料理があります。大分県日田市では、「うなぎ」をそぎ切りにして湯にくぐらせた湯引きが食されています。

「うなぎ」の肝も好んで食されています。“肝すい”は、吸いものの種として使った料理。“肝わさ”は、茹でるか軽く煮た肝と腸などを適宜に切り、わさびしょう油をかけたもの。“肝焼き”は、肝を串に刺し焼いたもの。

お店・ご家庭のレシピに加えてください! 美味しい食し方をご紹介

① 焼物 白焼き、蒲焼き、八幡巻き、塩焼き、肝焼き、ひれ焼き、うざく・酢の物、う巻き
② 煮物 湯引き、煮つけ・佃煮、すき焼き・じゅんじゅん、柳川鍋、半助豆腐
③ 汁物 肝すい、マトロット(フランス)、アールズッペ(ドイツ)
④ その他の料理 うな重、うな丼、兜の唐揚げ、骨せんべい、ひつまぶし(愛知)、うなぎパイ(イギリス)

どっちが美味しい?!関西風蒲焼きと関東風蒲焼き!

関東風と関西風の蒲焼の違いは、「うなぎ」の①開き方、②焼き方、③タレのつけ方が違うので、味も食感も、調理する方からすると、手間暇も違ってきます。串の打ち方も違ったりするので、お店や職人さんによってその味わいは変わります。

【関西風蒲焼き】
関西風の蒲焼きは、①腹から開き、②蒸さずにそのままタレをつけて焼きます。蒸さないので脂が乗り、外側がパリッと香ばしいのが特徴。商人の町大阪では「腹を割って話せるように」と腹開きにしたといわれています。③「うなぎ」の脂に負けないようにタレもトロッと濃くて甘いです。また、関西風は頭が付いていることが多いので買う時の目安になります。

【関東風蒲焼き】
関東風の蒲焼きは、①背開きにして、②白焼にした後、蒸してからタレをつけて再び焼きます。ふわっと柔らかい食感が特徴です。武家社会の江戸では切腹を嫌い、魚は背開きにして食したといわれます。蒸すことで脂が抜けるので、成長した太い「うなぎ」を用います。③タレはあっさりしています。

【中間地点】
関西風、関東風の境目は静岡県の浜松あたりだそうです。浜松では、両方の「うなぎ」が味わえるそうですよ。

よくある質問

Q.なぜ大阪では「うな丼」を「まむし」というのですか?

A:ご飯とご飯の間に「うなぎ」の蒲焼きを挟んでいたので、ご飯にまぶしながら食べるため「まぶし」が「まむし」になったという説。また、「うなぎ」を蒸して脂を抜く「真蒸す」が由来とする説。“飯蒸し(ままむし)”や“鰻飯(まんめし)”が「まむし」になったという説などがあります。
ちなみに、蒲焼きの語源ですが、蒲焼きの由来も諸説あります。昔は開かずに丸焼きしていましたが、その形が蒲(がま)の穂に似ていたことから、がま焼きといわれ、転じて“蒲焼き”になったという説が有力なようです。




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